肉声
最近の文明の利器には目を見張るものがあり・・・。
ネットですぐ色々調べられるし、Youtubeなんてミュージシャンの
動画やライブ演奏なんかが簡単に見られて本当に凄いと思う。
以前も書いたけど、いくらKISSが好きでも、スージー・クアトロが
好きでも動いている絵を観ることがなかなか出来なくて。
スージー・クアトロに関しては中野サンプラザでのライブが初めて
だったのかなあ・・・。
”フィルムコンサート”なんていうのもあったんだよ、昔は。
映画館などやファンクラブ主催で会場を借りて海外のミュージシャンの
ライブやプロモーションビデオを流すの。
それしか観ることが出来なかったのよ、来日するまでは。
NHKがヤングミュージックショーって言うタイトルで有名どころは
たまに放送してくれたけどね。
さて、今回はミュージシャンのお話ではなく作家のお話。
Youtubeで”三島由紀夫”のインタビューがあって興味深いので観ていると
個人的な好きな作家の”谷崎純一郎”まであって。
ま、そりゃ、録音機器がある時代なら有名人なら肉声が残されていても
おかしくはないわな。
谷崎はいいとして(?)、三島は作品もさることながら思想がね、
まちょっと極端なんでアレなんですが(笑)それでも独自の美学、日本男児と
しての理想のありかた、道徳心、日本を愛する心・・・などはいくつか共感
するところがある。
行き過ぎて市ヶ谷駐屯地での自決事件はきっといけないことであり間違った
行動であるとは思いますが、根本の考え方はそれほど特異に感じない。
ちなみに色々肉声が残されているんだけど、当時の高校生(男女)との
対話があるんだけど、三島はいつも通りだけど、高校生に驚くよ(笑)。
なんと大人びた発言をすることか。
現代の高校生とは段違い。
きっと三島が今の高校生、いや日本を観たら落胆することと思う。
ま、三島由紀夫の言ってることはあくまで理想で、ダンディズムに
のっとって生きていきたいと思っているだけだとは思うけど。
それにしてももっと昔に録音機器があったら・・・。
土方歳三の肉声とか近藤勇と伊東甲子太郎との対談とか、
沖田総司の撃剣指南とかあったかもしれない(笑)。
「はい、沖田総司です!今日は長州の浪士が潜伏しているとの
ことで、ここ池田屋に来てま~す!局長も一緒です。登録お願いします!
ゴホゴホ。」みたいな。
冗談はさておき、永倉新八は大正時代まで生きたんだから可能では
あったとは思うんだけどね。
しかし、晩年の永倉はまだいいとして、果たして土方や近藤の時代は
話し言葉が現代に通じるのか?
大正時代の永倉の文献もかなり厳しい。
「拙者の負傷いまだ癒えもうさざるも幕軍の不利を見てはこうしていられぬ。
拙者に遊撃隊と見廻組を拝借がねがわるれば薩、長の兵を京都まで追いのけ、
きっと大勢を挽回いたすでござろう」
などと言った具合。
もちろんこれはインタビューで語ったことを記者が書き記したもの。
話し言葉でもかなり今とは違う。
土方や近藤の生きていた時代は今からおよそ150年前。
たったの150年前なのに、その頃に書かれた文献はほとんど読めない。
余談だが自分が生まれたたった100年前には土方、近藤などが京都で活躍して
いたと思うと感慨深い。