星・宙・標石・之波太(しばた)

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イーストマン・コダック社倒産

2012-02-09 18:06:53 | 
少し古い話だが、
130年余の歴史をもつイーストマン・コダック社が事業再編をニューヨーク州の連邦破産裁判所に
申請したという記事が2012年1月20日の新聞に出た。
この記事から、45年ほど前からイーストマン・コダック社(日本代理店は長瀬産業)と管理者の
関わりを思い出した。


天体写真に興味を持ち始め、ボーナスを貯めて買ったカメラがニコンFフォトミックTNであった。


当時の常用のフィルムは、富士フィルムのネオパンSS(ASA100)であった。
天体写真向けの少し高感度のネオパンSSS(ASA200)を多く使った。
間もなく、コダック社からトライXという高感度(ASA400)のフィルムが発売され、
長尺(100フィート:約30m)の缶入りを購入した。(価格を覚えていない)
暗室で両手を広げると約36枚、片手を広げると約20枚と先輩から教わり、パトローネに詰めたものだ。
現像はパンドールで何分と時間を延ばせば増感となるが、粒子が荒れるのであった。
その後、コダック社から画期的な極超微粒子のフィルム(テクニカルパンTP2415)が発売され、
これを水素雰囲気に入れると増感される、水素増感が流行った。
微粒子で高感度という相反する現象が可能となったのである。
天文写真のモノクロフィルム部門で世界を制覇したと言っても過言ではないと思っている。
その後、世の中はデジタルカメラへと進み、その対応の遅れが倒産に繋がったのではないかと思っている。


今、厳しい環境にあるとはいえ、化粧品も扱う富士フィルム社とイーストマン・コダック社の倒産劇は、
事業展開についての何かを示唆しているように思える。


手元に残っていたフィルム、未現像です。
フジカラーR100・有効期限:1972年1月
フジクロームR100・有効期限:1975年2月
コダック2475レコーディング・有効期限:1969年5月
コダックハイスピードインフラレッド・有効期限:1974年7月
サクラインフラレッド・有効期限:1969年5月