日本スペースガード協会主催の「スペースガードリモート倶楽部」が8回の開催で終了した。
目的:スペースガード倶楽部は地球環境に危害を及ぼす天体衝突について一人でも多くの
方々に興味や知識を持っていただくため、従来、会員・一般の方々を対象に全国各地で対面
で開催してきた活動ですが新型コロナ感染症拡大に対応するためリモートでの開催を致します。
なお、対面では1日で実施していましたが全8回のシリーズで開催します。
1 日程 2020 年11 月21 日(土) から8回程度
2 開催方法:Zoom(参加者無償)による双方向リモート開催
3 対象:協会会員・一般 10名程度(初心者)
4 内容:別添スケジュール表を参照
5 その他
・参加費無料
・ごパソコン(Windows)及びインターネット接続環境が必要です
・使用する天体検出・測定、軌道計算・表示ソフト(マニュアル付)は無償配布します
・Zoom使用したことのない方、自信のない方には事前に接続テスト/ご支援等をいたします
・応募者多数の場合は複数講座も検討します
6 申込み/問合せ: 特定非営利活動法人 日本スペースガード協会 事務局
・スペースガード・リモート倶楽部は日本スペースガード協会の活動や地球に接近する小惑星や
彗星に関心や興味をお持ちいただくための体験活動です。これまで、各地の会場で対面方式で
行ってきましたが新型コロナ感染症に対応するため双方向のリモート会議方式により行うことに
なりました。
・スペースガード・リモート倶楽部の内容
自身で撮影したデジカメ等の画像から今までで写っていなかった天体(新星、超新星)
や移動してる天体を見つけてみたい。
既知の天体がどのように太陽の周りを回っているのか、星図上をどのように動くのか、
観測したいが位置推算表を計算してみたい等のご希望をかなえられるソフトの講習会です。
難しい理論や方程式は扱いません。ゲーム感覚で操作できるため、未就学のお子さんから
ご高齢の方までご参加いただいています。
スペースガード倶楽部で使用するソフトをご自身の観測等に役立ている方もおいでです。
・ほぼ、毎週いくつかの天体が地球から月までの距離よりも近いところを通過しています。
これらの地球接近天体の最新情報も解説したいと思っています。
第1回スペースガード・リモート倶楽部
日時 2020年11月21日(土)15:00〜16:30
参加者:8名
主な内容
・主催者あいさつ(理事)につづき参加者の自己紹介
・事務局よりスペースガード・リモート倶楽部の開催経緯及び概要説明
・地球環境に危害を及ぼす天体についての実例や各国のサーベイ状況及び日本スペースガード
協会の概要について解説
・1か月以内に月までの距離より接近する(接近した)天体や東京大学木曽観測所で発見された
地球接近小惑星についての解説
・小惑星を見つけ出すことのできる「小惑星探査ソフトウエア」、小惑星の太陽をまわる軌道図
や星図上に表示する「小惑星表示ソフトウエア」のダウンロードとパソコンへのインストールの実習
第2回スペースガード・リモート倶楽部
日時 2020年11月28日(土)15:00〜16:40
参加者:9名
主な内容
・地球接近天体はどこからやって来る?、小惑星の名前の付け方、太陽方向から接近する危険なヤツ、
2013年のチェリャビンスク隕石の場合
・地球接近天体の最新情報
2020 WC4, 2020 WB4, 2020WY4, C1MM4T1, C1MKLY1
・「小惑星探査ソフトウエア」のインストール、画像の読み込み、ブリンクによる移動小惑星の検出実習
第3回スペースガード・リモート倶楽部
日時 2020年12月5日(土)15:00〜16:30
参加者:6名
主な内容
・はやぶさ2の帰還誘導について
2031年7月の小惑星1998 KY26の探査、小惑星1998 KY26の概要
・2020年11月29日01時34分頃の火球について
この火球の概要解説・SonotaCoネットワークとWEBの参照・解説
・地球接近天体の最新情報
2020 WG5, 2020 WN5, 2020 VZ5
・「小惑星探査ソフトウエア」の解説
画像の読み込み、ブリンクによる移動天体の確認
精密位置測定、MPCフォーマットによる観測値出力、MPCフォーマットの解説
(質問:JPEG画像の場合で画像のヘッダーに画像中心のR.A. Dec.が入っていない場合の扱いについて
(回答:このソフトウエアは天体名・時刻・画像中心位置が入力可能であるが星表と自動対応が
できない場合がある。できない場合の手動対応については次回以降で解説する。
第4回スペースガード・リモート倶楽部
日時 2020年12月19日(土)15:00〜16:30
参加者:8名
主な内容
1.地球接近天体の最新情報
2020 YO, 2020 YG, 2020 YF, 2020 YB
2.地球接近天体の最新情報の見方について
・情報の基準
地球接近距離100万km以内に接近する(した)天体
日本に関係するNEOの発見・接近
今後、10万km以内に接近するMPC未公表の天体
・MPECのWEBの見方
・CNEOSのWEBの見方
・NEODyS-2のWEBの見方
3.小惑星表示ソフトの解説
・軌道要素とは
・星図表示の概要と解説
・軌道図表示の概要と解説
第5回スペースガード・リモート倶楽部
日時 2020年12月26日(土)15:00〜16:30
参加者:7名
主な内容
1.地球接近天体の最新情報
2020 YM1、2020 YJ2 = TMG0034、2020 YL2 、2020 YN2 、2020 YR2、2020 YS2 、
2020 YG3、2020 YO3 = TMG0035
2.教育用小惑星表示ソフトウエアを使ってみよう
・前回の復習/確認
星図表示と軌道図の画面表示
天体表示画面のアニメーション
・任意の天体の表示
軌道要素ファイルに新規追加する方法(MPCORBデータの検索)
軌道要素ファイルから任意の小惑星の軌道要素を選択
・軌道要素ファイルの更新
小惑星センターからMPCORB.datファイルをダウンロード
https://minorplanetcenter.net/iau/MPCORB.html
(MPCORBデータの更新)
3.今日の関連URL
・既知の小惑星の軌道要素の取得、小惑星センターよりMPCORBデータベースのダウンロード
URL : https://minorplanetcenter.net//
URL : https://minorplanetcenter.net/iau/MPCORB.html
・火球・隕石の情報
NASA CNEOS https://cneos.jpl.nasa.gov/fireballs/
国際隕石学会の隕石データベースの検索 https://www.lpi.usra.edu/meteor/
第6回スペースガード・リモート倶楽部報告
日時 2021年1月9日(土)15:00〜16:30
参加者:6名
主な内容
1.地球接近天体の最新情報
2020 YS41、2021 AH、2021 AS2
2.教育用小惑星表示ソフトウエアを使ってみよう
・前回の復習/確認
・教育用小惑星表示ソフトウエアを使ってみよう
a 観測データの読み込みと保存
b 軌道決定と軌道改良
MPCフォーマットの観測データから軌道決定、軌道図、星野図の作成
c 摂動計算/同定計算
観測データから既知の小惑星を判定
シューメーカー・レビー第9彗星の木星衝突時の軌道変化を表示
3.おまけ
INPACT EARTH!の紹介
IPurdue大学のInpact earth使用しての天体の地球衝突時のシミュレーション及び解説
第7回スペースガード・リモート倶楽部報告
日時 2021年1月16日(土)15:00〜16:30
参加者:5名
主な内容
1.地球接近天体の最新情報
2020 AZ3、2021 AC4、2021 AF6
2.教育用小惑星表示ソフトウエアを使ってみよう
・前回までの復習、確認
・小惑星 2020 VT4 の地球接近時の摂動計算と積分ステップ、軌道変化の表示
・まとめ
3.Find_Orb軌道計算ソフトを使ってみよう
・Project PlutoのWEBからソフトウエアのダウンロードとインストール
・日心軌道・地心軌道計算と観測データの取得
A) 小惑星 TMG0034の初期観測からの軌道計算、地球接近の有無判定
B) 2020 SO の日心軌道(太陽を回る軌道)と地心軌道(地球を回る、地球に捕らえられた
天体or物体?)の軌道変化
・自己の観測データの精度確認
小惑星39799(Hadano)の発見観測の精度の確認、観測精度の悪い天文台の観測データの除外
・小惑星 2008 TC3 の初期観測から地球衝突軌道、衝突時刻、衝突地点を算出する
第8回スペースガードリモート倶楽部
日時 2021年1月23日(土)15:00-16:00
参加者:8名
主な内容
・ 地球接近天体の最新情報
・ 1月20日20時32分の火球について
・ 教育用小惑星探査ソフトについて(全般的な質疑・応答)
・ 教育用小惑星表示ソフトについて(全般的な質疑・応答)
・ Find_Orb軌道計算ソフトについて(全般的な質疑・応答)
・ その他
○アンケートのお願い
今後の参考とさせていただくため、次のアンケートにお答えください。
1月23日のイベント終了時にお答えください。ご都合で参加されない場合は早めにお願いします。
★管理人は、第1回と第8回しか参加出来なかった。
コロナ禍で会場に一堂に会しての開催が出来ないため、Zoom会議形式となったため、
3時間あまりの講座が、1.5時間×8回の開催となった。
今回のアンケート結果を理事会に報告し、来年度の事業計画に反映したいと思っている。