昆布が美味い

羅臼の昆布漁を見た時にスタートしたblogです。昆布のダシのように、人生の旅にも味付けをしたい。旅を中心に纏めています。

安倍晴明その6(3/3)

2007-04-03 | 歴史・文化遺産
 本殿の隣に巨大な楠の木が茂っている。
 昭和58年に轟音と共に枝が折れて下に落ちた。枝は周りの社や燈籠を砕き破壊した。
 翌日、人々が後片付けをしていると、そこには2匹の白蛇が下敷きになって死んでいた。
 

巨大な楠が本殿に覆い被さっている。


霊木として崇めてきた樹木の主(ぬし)の死に出会って、人たちはあらためて世の儚さを知ったという。そして協力して社を再建した。


それにしてもキツネは怖い顔ですね。


安倍晴明の母「葛之葉」がキツネであると正体が見つかって、泣く泣く葛之葉は信太山の森に帰って行きました。その時に障子に書いて我が子に残した歌です。

 恋しくば 尋ね来て見よ 和泉なる信太之森のうらみ葛の葉
母が恋しくなったときには和泉にある信太の森に来なさい。そこには母「葛の葉」がキツネである事の悔しさで恨めしく思い、そのために葛の葉が裏返ってしまったのを見ることでしょう。
 とでも読みましょうか。


歌を障子に書いている絵画で、これは広く世間に出回っています。このとき童子丸(後の晴明)は6歳であったと言う。


キツネから姫に変身した時に、我が姿を写したという井戸。


井戸の傍には白狐化身の木がある。

左:このキツネたちは、口にくわえているものが左右逆になっている。
右:根元から2本出ている楠の木は夫婦楠と呼ばれ、安産の神でもある。

境内にはキツネならぬネコが数匹いた。子どもが猫を呼ぶがネコは全く相手にしない。


大阪・和歌山を走る阪和線の北信太駅前の案内板である。
 現在地から少し右上に、今回紹介した葛の葉稲荷がある。駅から徒歩5分である。
 ところで、駅から左に進むと、ここに信太山があり、信太の森が広がっていた。現在は半分団地になっているが、聖(ひじり)神社の周りは原生林が残っている。葛の葉所縁の土地はこちらが本家らしい。「信太の森ふるさと館」がある。
 ちなみに、安倍晴明が生まれた大阪市阿倍野区は、ここから北へ17-8kmほど行ったところである。