完走できた。三浦国際市民マラソン。かつて、タイムアウトの憂き目にあったこのレースで、ついにリベンジを果たした。
市民マラソンと銘打ちながら、その内容や過酷極まる。坂道を延々と登り切り、平たんな道に出てわずか、再び延々と坂道が続く。箱根駅伝の往路並みだ。もう忘れたが、こんな強烈な坂道が3か所以上ある。
そしてもっと過酷なのは、2時間20分以内、正確にいえば、9時37分にスタートの号砲の後、11時57分までにゴールインしなければ、コースから出ねばならない。まさにタイムアウトである。どんな市民マラソンだよ。
タイムアウトになると、Tシャツや大根はもらえても、完走証はもらえない。もらえても、タイムの記録は記載がないらしい。これだけは避けねばならない。だから、ワシは万全を尽くして東京ユニも着ず、冷徹に完走を優先して走りやすいランニングシャツで出場した。
今回、過去、タイムアウトの屈辱にあっていたから感じていたプレッシャーも、かえってマイナス思考に結び付いた。やばいやばいと思うと、途中の富士山の雄大な景色も何とも感じられなかった。途中、どんどんどんどん追い抜かれ、ますますやばいと思ったが、暗い気分にさいなまれながら、最後まで走り切った。歩くことだけは嫌だった。
やっとのことで最後の坂を上りきり海岸線に出たところで、時計を見ると、何とか余裕で完走できそうだった。あと5キロくらいのところだった。もうほとんど消耗しきっていたが、前回のように足がつってもいなかったから、とりあえず走った。そしたらまた目の前に小さな起伏。これはこたえた。
もうほんとにしんどかったが、この坂も登りきって、ついにFINISHの文字を目にした時の喜び。時計を見ると、いつもより10分以上遅かったが、何とか2時間を切っている。ううむ、よくがんばった。ちょっとだけ涙が出たよ。こういう涙は、実は生まれて初めてであった。いわゆる、うれし涙。こんな体験をさせてくれた三浦の皆さん、ありがとう。