ちまたで、節電、節約についての誤解が散見される。某武蔵野市議(さえ)も間違っていた。ワシ自身も間違っているかもしれないが、以下、整理しておく。本来は、教え子のシンタロウ君に向けて書いたつもりだが、彼はたぶん読まないだろう。また、間違っていたら、何卒ご指導願いたい。
①深夜に節電しても意味がない。
この際、夜間のコンビニや24時間営業をやめさせたら節電効果あるのではないかという人がいるが、これは意味がない。
節電の目的は、東京電力のプレリリースによると、「予見性ないまま大規模な停電に陥いることを防ぐため」とのことである。福島第一原発が稼働しないことにより、供給能力が落ちたためである。
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11031404-j.html
したがって、電力需要の落ちる深夜に、さらに需要を落としても意味がない。
②関東で節電したらといって、被災地域に電力が回せるわけではない。
福島県、宮城県、岩手県の電力は、東北電力が供給している。したがって、東京電力の電力需給がどうあっても、被災地の電力とは何らの関係もない。 計画停電は被災地に電力を優先的に供給する目的で行われているものではない。あくまでも、上記のとおり、関東地域での「ブレーカーが落ちる」のを防ぐためだ。
さらに、電気は石油のように貯めておくことができない。いくら節電しても、その分を被災地域に回すことはできない。
③九州や関西、四国で節電しても、被災地域に電力が回せるわけではない。
上記のとおり、被災地域3県の電力供給は東北電力が行っている。したがって、九州電力、関西電力、中国電力、四国電力、中部電力で節電、すなわち需要を落として供給過多になったとしても、東北電力とは関係がない。九州や中国地方で節電を促すチェーンメールが流れたらしいが、デマであることは明らかである。
エコの観点からいえば、人のいない部屋の電気を消灯するのはよい。ただし、このことは震災と何らの関係もない。
④何でもかんでも節約すればよいわけではない。
買いだめはよくない。被災地域で需要のある生活物資が無意味な買いだめで市場から少なくなって、いますぐ必要な地域に物資が回らないことが問題である。しかしながら、それ以外の物資や商品の買い控えが生じると経済が沈滞する。そうなると、海外からの投資が入ってこなくなる。ますますGDPが低下する。GDPが低下すると財源がなくなる。今後、復興に向けて必要な資金が調達できなくなる。このことは非常に重要なことである。
要するに、ミネラルウォーターの買いだめは断じてやめねばならないが、自動車や住宅の買いだめはウェルカムである。そんなやつはいないだろうが。
「今いらないものは買うな」とACのCMでやっているが、これは必要生活物資の買いだめをやめろといっているのであり、余分だと思っても、ユナイテッドアローズで目についた気に入ったシャツを衝動買いするのは、むしろ良いことなのである。