土曜日にニョーボとスーパーへ行ったときにそれを見てしまった。
出口に果物のコーナーがあって、ワシは柿が好きで、あんぽ柿やら干し柿やら見とったんじゃ。そしたら、傍らにおった品のよさそうなおじさんが、1個200円もする富有柿を品定めしていたと思ったら、ポケットに入れて出て行ってしまったんじゃ。
いわゆる、万引きである。
ちょっとショッキングであった。うわさには聞いていた。万引きを悪いことと思わず、平気で犯してしまう人種がいるらしきことを。それにしても、こんな、東京の練馬の、そこそこ上品な街でそんな人がいるなんて。
よく万引きする人の常套句に「スリルがたまらなくて」というのがあるが、件の紳士はそんな感じではなかった。自分のものというか、サービスでもらって当然くらいの感じであった。何なんだろう。
別にかっこつけるわけでないが、自分の身を振り返っていえば、今まで47年も生きてきて、万引きなんぞしたこともなければ、したいと思ったこともない。悪いことであって、犯罪であることを十分に認識しているからである。
逆に万引きしてしまうのは、そうでないということである。犯罪と思っていない。悪いという罪の意識の問題である。ただ、何となく、親のしつけ不足ということだけでは理解できないような気がしている。