今考えると、2回くらい、10代、20代で危ないときがあった。死にかかった、といってもよい。そのあと、ずっと、あのとき死なずに済んでよかったと思ったものだったが、最近は別のことを考えている。
意外と早く死んでいたら、それはそれでよかったかもしれないと思うのだ。人生短くても長くても、歳をとってからの1年は若いころの1年と比較すると相対的に短いから、10代で死ぬのと、50代で死ぬのと、極端に変らない気がする。要は中身である。
それどころか、長く生きると辛いことも多くなる。身近な例でいえば、自分が先に死ねばよいが、妻に先立たれると辛い。子供に先立たれることもあるかもしれない。人にもよるだろうが、長く生きれば生きるほどハッピーというものでもないだろう。嫌なことはついて回る。
昔はどうやったら、よい人生になるかをよく考えていたものだが、最近はどうしたらよく死ねるか。こっちをよく考える。別にこんなことを書いているからといって、精神疾患でもなんでもない。当然考えるべきことなのだと思っている。そして、それはどう生きるかと同じくらい難しい問題である。