夢!進行形。港が見える丘ガーデン

ミントさんの庭に憧れて、少しでもブルーガーデンに近づけるように日々奮闘する田舎のおばちゃんの日記です。

フォリー=ベルジェールのバーの蠱惑(こわく)

2019年10月11日 21時24分51秒 | 美術鑑賞

先に
コート―ルド美術館展を鑑賞したことは
お伝えしましたね。
そのコートールドの収蔵作品の中で
めったに貸し出さない秘蔵作品といわれる
「フォリー=ベルジェールのバー」について
数々の資料から紐解いてみたいと思います。


朝日新聞の記念号外


駅のホームには巨大な看板広告が・・・・

美術館長のエルンスト・フェーヘリン氏は
「複雑な設定やあいまいで謎めいた魅力は、
近代生活のモナリザと言っても過言ではない」
と言っています。


都市生活を初めて絵画化し
近代絵画の創始者と呼ばれる
エドゥアール・マネが、晩年の主題に選んだのは
都市の光と闇を抱え込んだバーだった。

この完成作品が1882年に発表された時、
画面の大部分を占める鏡像が
「理解不可能な配置」と議論を呼んだそうです。
そうこのバーメイド(シュゾン)の
鏡像は真後ろにあるのが正しいのですが
X線画像によると当初左寄りにあった鏡像が
右寄りに描き直されています。

同館保存責任者のアビバ・バーンストックさんは
「鏡像の関係としては正しくないが、
客の男性とシュゾンの親密さを演出するため、
位置関係を変えていったのでは・・・・」

バーメイドたちが自らの身体を売っていた
ことを考えると、この男性との会話が
今にも聞こえてきそうな気がします。
そしてシュゾンの憂いを含んだ瞳には
そのことが本意ではないのでは・・・・・と
観る者が思ってしまう虚ろさが宿っている。

見方は様々あり
正確な画家の意図は分からないが、
いずれにせよ鏡像が右に寄ることで、
静物を収めた左右対称の三角形構図で描かれた
バーメイドが、画面中央で微妙な安定感と
荘厳さを生み出した。
同時に微笑み無き表情は、
社会の周縁に生きる者としての孤独や憂いのほか、
官能や美などの解釈も許す
曖昧さもはらんでいる。

最後に
朝日新聞の解説は
「近代絵画の創始者」が残した謎多き女。
現代日本に暮らす私達も
その瞳に心奪われる。

と結んでいます。


その他の主要な展示作品を紹介します。

エドガー・ドガの
「舞台上の二人の踊り子」

ポール・セザンヌ
「カード遊びをする人々」

ファンセント・ファン・ゴッホ
「花咲く桃の木々」

右上のルノワールの
「桟敷席」
など60点の作品が観る私達を魅了します。

そして忘れてはならない出口付近の
ロダンやドガの彫刻作品なども
魅力いっぱいです。
是非、お出かけ下さい。


今日も来てくださってありがとうございます。



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