TULIP DIARY

届くといいな やさしい風に乗って

「手紙屋」蛍雪篇

2008年04月26日 | 読書日記
「手紙屋」蛍雪篇 喜多川泰 著 ディスカヴァー・トゥエンティワン
手紙のやりとりを通じて夢の実現を手助けするという謎の人物、「手紙屋」と
高校2年生の和花は手紙のやりとりをすることになる。
手紙は10通まで、最後に報酬として依頼者である和花は「手紙屋」に
その手紙の価値に見合うと判断したものをふさわしい量だけ払うという契約だ。
大学進学の意味、勉強する意味、人生の選択にとまどう和花に手紙を通して
自分で考えさせ、子供の頃の夢と
大人に向かおうとした揺れる思春期の高校生の夢というものの意味の違いを再考させる。
あとがきに受験生に限らず、子供を持つ親の世代、人を指導する立場にある人などに読んでもらいたいと書かれていた。
勉強することの意味とか夢の意味とかを高校生の頃にそれほど深く考えたことがなかった。
まどろっこしいところも多いように感じたけれど真剣に悩んでいる人にとったら
これを読むと進路や勉強のことについての手がかりになるのではと思った。
この本では主人公の高校生、和花が今流行のメールとかではなく
手紙を通して心の変化を表した物語になっている。
一人の高校生の心をこんなに成長させたのも手紙がもつ魔法の威力なのだ。
まだまだ手紙というのはメールに変わらぬ魅力をもつものだということを
密かに語っているような本でもあった。
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