レンタル店で久しぶりに借りてきて映画『一度死んでみた』を観ました。父計(堤真一さん)が大嫌いな女子大生の七瀬(広瀬すずさん)は、デスメタルバンド「魂ズ」のボーカルで、父のことを歌にして「一度死んでくれ~」とライブで歌う日常を送っていた矢先、製薬会社の社長である計が本当に死んでしまうという知らせを受けとるところからストーリーが展開して行くコメディ映画でした。2日だけ死んでしまう薬を計が飲んで死んでしまうという、実際はありえないような話がどんどん進んで行くのですが、見ているうちに本当にありえそうなシチュエーションを観ているような気分に陥ってしまいそうになるお話でした。新薬の権利を巡り、その権利を獲得したいライバル会社の陰謀がエスカレートしながら計が生き返らないうちに早く火葬してしまおうとしている騒動を絡み合わせながら展開していくお話でした。小さい頃の七瀬は化学や実験や観察が大好きな父の計を疎ましい存在とは見ていなかったようですが、母親の死から父を嫌うようになって行った理由、父が死んでしまって助けようと奮闘する七瀬の心の変化がギャグなどが散りばめられている中でも見ている人々にわかりやすいように描かれていて好感が持てました。計と七瀬親子が目に見えない愛情で繋がっていたという伏線もエンターテインメントの要素がありました。映画の中で、なにげないセリフも印象に残りました。なにげないセリフの中に人生における機微をちゃんと伝えてくれていました。死んでからやっとわかる大切なものがあるとか、言葉で伝えないとわからないんだよとか、いろいろいいセリフもありました。七瀬が「〇〇デス」と歌っている歌や口調がおもしろかったです。広瀬すずさんのこういう役もはまっていましたね。映画の中で流れていた音楽は、ヘビーなロックの音楽だけでなく、クラシック音楽も時折挿入されていて、選曲がそのシーンに合ってたなあと思いました。三途の川をボートで渡っていたときに流れていた「モルダウ」がこのシーンにぴったりだったし、計が棺桶から出てくるときに流れていた「ツァラトゥストラはかく語りき」の曲もぴったりだったし、選曲のセンスが光っていたとなあと思いました。それと吉沢亮さんが演じておられた、存在感が薄いと多くの人々に言われ続けていた松岡が本当は貴重で掛け替えのない存在であるということを描いているのも見逃せないですね。吉沢亮さんの独特の雰囲気を醸し出していた好演が面白さをもっと加味していたように感じました。時々、笑ってしまうシーンも盛りだくさんで見終えるとちょっと癒されたような気分になる不思議な映画でした。
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