レンタル店で借りてきた映画『ちいさな魔女とワルプルギスの夜』の感想です。
この映画は、ドイツの世界的児童文学の実写化作品です。森の奥で相棒のカラスのアブラクサスと暮らしている半人前ですが心優しくて親切な127歳のちいさな魔女が夢見ているのは、ブロッケン山で毎年開催される「ワルプルギスの夜」というお祭りに招待されて踊ることでした。このお祭りは大きな魔女たちが集まり踊りまくるお祭りで、「よい魔女」しか招待されないですし、招待されないと参加することができないというお祭りでした。127歳のちいさな魔女には、いまだに招待状が届かず、夢だった「ワルプルギスの夜」に参加してみたいという願望を堪えられず、開催された日にこっそりと忍び込むことにしました。でも、その場で大きな魔女たちに見つかってしまい大きな魔女たちにあれやこれやと言いがかりを付けられてしまいます。そして、一番偉い大きな魔女が127歳のちいさな魔女に提案します。その提案は、来年のワルプルギスの夜のお祭りまでに大変大きくて重そうで何ページもあった分厚い魔女辞典に書かれている7892個の呪文を全部暗記して、テストして合格したら、祭りに参加してもよいという提案でした。招待されずにこのお祭りに来た罰として127歳のちいさな魔女がブロッケン山まで飛んできたほうきを没収され、家まで2日くらい掛かるような遠い道のりを重い魔女辞典を担ぎながら家まで戻り、あくる年の「ワルプルギスの夜」のお祭りの日に向けて127歳のちいさな魔女が猛勉強を繰り返すというけなげな努力を始めて行きます。そして、あくる年、テストを受けに行きました。テストに合格しなかったら大変意地悪な罰が待っていました。大きな魔女たちが、言っていた「よい魔女」とは、実際、127歳のちいさな魔女が普段の心優しくて親切で穏やかな魔女とは正反対の人が困るようなことを率先してするような魔女のことを「よい魔女」と呼んでいたようでした。大きな魔女たちの意地悪で陰湿な対応に、127歳の魔女は自ら覚えた魔法で自らの夢を実現して行きました。大きな魔女たちが呼ぶ「よい魔女」に自分の信念を曲げてまでなりたくないという127歳のちいさな魔女が、自分の世界、自分を信じて成長していくのが格好いいというか晴れ晴れしたような気分を共有できるようなファンタジー映画でした。
ちいさな魔女が暮らしている家は絵本やおとぎ話に出てくるような風変わりな家で、家の周りも動物たちがたくさん憩い、美しい花々がたくさん咲いているような自然がいっぱいな場所ですし、相棒のカラスと仲良く魔法を使って楽しんで暮らす様子に心が和んだ映画でした。映像がとてもきれいでした。動物たちも背景もCGかなと思っていましたが、CGではなく実写だそうです。
年を重ねた大きな魔女たちが踊る「ワルプルギスの夜」が127歳で半人前だった小さな魔女にとってどうしても参加して踊ってみたいと思うほどそんなに魅力的に見えていたのがとても不思議に思ったのを除けば、大人も子供も楽しめるような映画だったと思います。