TULIP DIARY

届くといいな やさしい風に乗って

お探し物は図書室まで

2021年04月19日 | 読書日記

お探し物は図書室まで 青山美智子 著 ポプラ社

小学校に隣接しているコミュニティハウスの小さな図書室にやってきた悩める人たちに、「何をお探し?」と不愛想に声を掛ける司書小町さゆりがインスピレーションでセレクトしてくれた本や可愛い羊毛フェルトの付録で悩める人たちの仕事や人生にヒントを提示しながらも自ら踏み出せるように後押ししていくような5編の連作短編集でした。それぞれの短編では主人公は違うのですがどこかで繋がっていたというからくりも後で思い出すようなお話です。小町さゆりはレファレンスの達人みたいな司書さんで、図書室にやってきたそれぞれの主人公たちが小町さんを初めて見掛けたときに抱いた彼女の第一印象もそれぞれ違っていました。冬ごもりしている白熊、ゴーストバスターズに出てくるマシュマロマン、ベイマックス、早乙女玄馬のパンダ、正月に神社に飾られている大きな鏡餅のようだとあまりよくないイメージを最初は抱くのですが、本をセレクトするときにものすごいスピードでパソコンのキーを打つ姿と洋菓子のハニードームの空き箱から取り出して羊毛フェルトを手渡すときの小町さんの態度や表情はどの人にも同じように接していたのではないのだろうかと想像できました。レファレンスのプロとしての司書としての魅力だけでなく、小町さんの安心感と信頼感や温かさが、本という媒体を通して、悩める人々にある気付きやきっかけを押し付けでない、ふっくらした愛の籠った贈り物を贈ってくれていたという人間味溢れる姿がこの小説の中で一番光っていた魅力のひとつだったことに気が付きました。

14日に発表された本屋大賞では2位になった小説でした。

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春ドラマ

2021年04月19日 | ひとりごと

4月から始まった春のドラマをいくつか見ています。「大豆田とわ子と三人の元夫」は、大豆田とわ子役の松たか子さんと三人の元夫役の松田龍平さんと角田晃広さんと岡田将生さんたちの掛け合いがおもしろかったです。大豆田とわ子の行動や感情を頻繁に逐一丁寧に語っておられたナレーターの方の語り口調もおもしろかったです。他のドラマにはない細やかな特徴ある語り方でこの語りがあったから楽しめたかと思います。「VS魂」の番組で出演されていた俳優の皆さんの朗らかで楽しそうな様子を見るとこのドラマを作っておられるときもきっと楽しそうだなあと想像できました。今後の展開が楽しみなドラマになりました。「コントが始まる」は、高校の同級生同士で結成したコントのグループ「マクベス」と彼らのファンになった一流会社を辞めてファミレスで働くようになった女性中浜とその妹の5人の20代の若い世代の人たちの生き方を描くドラマでした。「マクベス」のコントがこれからどうなるかとか中浜姉妹との関係はどうなっていくのかなどこれから見守っていきたいドラマになりました。「リコカツ」は、北川景子さんが演じる咲と永山瑛太さんが演じる紘一は交際ゼロ日婚で結婚したものの生活していく上でのお互いのセンスや考え方の違いから新婚早々、離婚に向けて進んで行こうとするドラマでした。おまけに、彼らの両親も離婚を考えて行くといった家族総出でリコカツするといったストーリーで、離婚から見えるそれぞれの人生模様が興味深いドラマです。春ドラマはちょっと変わった観点のドラマが多くて楽しめそうです。

 

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