〈私〉はどこにいるか?

私たちは宇宙にいる――それこそがほんとうの「リアル」のはずである。この世界には意味も秩序も希望もあるのだ。

書評『徳川時代の宗教』(R・N・ベラー) 3

2018-04-30 | 書評『徳川時代の宗教』(R・N・ベラー)
(承前)  「忠誠」「無私」「献身」――いずれも戦後意味が反転し、「封建的」と白眼視され、時代錯誤として冷笑の対象にすらなってきた言葉であり、現代日本人にとってはすでに意味を失った実質的な死語にほかならない。そのように「忠義」や「孝行」、「恩」や「報恩」等々、一見してなんと大時代的だろうと思われる言葉が、学問的な研究対象としてごく真面目に論じられている。ここで読者は、そうした言葉にまつわる負の意味 . . . 本文を読む