〈私〉はどこにいるか?

私たちは宇宙にいる――それこそがほんとうの「リアル」のはずである。この世界には意味も秩序も希望もあるのだ。

会報『サングラハ』第157号(2018年1月)について【転載】

2018-02-05 | サングラハ教育・心理研究所関係
 以下、筆者の参加しているサングラハ教育・心理研究所のホームページから、会報最新号の紹介記事を転載する。

 編集後記に内容がわかるよう少し紹介しているが、私たちごく普通の一般人(ということは凡夫)にも覚りの可能性=「黄金」が秘められているという大乗仏教の直球のメッセージと、私たちの可能性を覆い隠しているいわば心の汚れもまた浄化・治療できるという現代の心理療法の洞察が、人間の可能性開発の話として一望できるというビジョンがここに明確になっていると見える。

 ……というと何か小難しい話のようだが、学術的な諸々を踏まえつつそこにこだわらない、ごくまっとうなメッセージとして語られているので、むしろ一般の人のほうが素直に読める内容だと思う。
 一般向けにはPDF版も頒布されているので、まずはご購読いただきたい。

 なお、いうまでもなく最近再開したJFK暗殺事件のいわば陰謀説(単なる陰謀論ではないつもりだが)と、同研究所の活動とは一切、何の関係もない。私としては、できる限り同研究所が発しているメッセージが多くの人に伝わってほしいという思いである。もちろんそれは個々人の選択ということになるだろうが、少なくとも情報が伝わらないことには選択も何もない。
 まあ、この五十数年前の事件は、最近の情報公開の騒ぎにも見られるようにまだホットな話題なので、多少なりとも読者を獲得しやすいようだ。
 しかし本筋はやはりサングラハである。
 暗殺事件のミステリーはすべて個人的な趣味のこだわりにすぎず、これをお読みいただいた方は、ぜひ本筋のほうも読んでいただきたいと思う。詳しくは研究所主幹・岡野守也先生のブログを参照のこと。
 
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 隔月刊の会報『サングラハ』について、157号(2018年1月号)の発行をお知らせします。
 各会員には2月上旬に到着予定です。編集上の都合により発行が遅れますことお詫びいたします。
 会員以外の一般の方でもご購読いただけます。当HPフォームメールまで号数・冊数を記載しご注文ください。
 *PDF版は次のリンクの販売ページからお求めになれます。

【会報『サングラハ』販売ページへ】


『サングラハ』第157号

2018年1月25日発行、全48頁、A5判、700円
目 次
 ■ 近況と所感 …… 2
 ■『如来蔵経』を読む(4) ……岡野守也… 5
 ■ 唯識と論理療法を融合的に学ぶ(7) ……岡野守也… 26
 ■ 新・ゴータマ・ブッダのことば(9) ……羽矢辰夫… 38
 ■ 書評『アメリカ 未完のプロジェクト――20世紀アメリカにおける左翼思想』(1) ……増田満…… 40
 ■ 講座・研究所案内 …… 46
 ■ 私の名詩選(56) 芭蕉の冬の句 …… 48

(編集後記)
 編集都合で発行が遅れました。本年もよろしくお願いいたします。
 岡野主幹の『如来蔵経』講義は経典後半に入りました。「衆生を菩薩にするため」という大乗仏教の本筋が明確に打ち出されており、「ゴミ溜めの黄金」「貧家の宝」「マンゴーの実の種」等の譬えによって、凡夫である多くの私たちの内に黄金=覚りの可能性が確実にあることを気づかせてくれます。
 「唯識と論理療法」講義では、非合理的/合理的信念の四つの特徴の復習を通じ、論理療法のABCDのD・論破の方法が紹介されています。先のゴミ溜め等の譬えは確かに凡夫の心の実感ですが、論理療法はいわばマナ識をゴミ溜めにとどめず治療することによって、仏教を補完しうるのだと思いました。
 羽矢先生は今回、「この覚りは誰にも理解されないだろう」という、ブッダの一見ネガティブすぎる言葉を紹介されています。真理とはそれほど常識を越えたものなのでしょう。
 増田さんはローティ著作の書評後半で、同書がすでに正確に米国の現状を予測していたことがわかります。米国も日本も、連帯の根拠たるいわば「国是」、原点の理想を取り戻すことが必要です。 
 (編集担当)



 


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