【疑惑の三発の空薬莢】
さて、「オズワルドによる三発の銃撃があった」とする公式説を根本で支えているのは、他の何よりも現場に残された三つの空薬莢である。
つまり「現場に空の薬莢が三つ残っていた以上、銃撃も現場からの三発であったはずだ。あくまでそれが事実なのだ」というわけだ。

これがオズワルドが現場に残したとされる空薬莢の証拠写真である。
これらはごく小さな3つの薬莢に過ぎない。しかし、事件のカギを握る重要な「物証」である。
そこで残された写真を少し細かく見ていきたい。
些細なことを論っているように見えるかもしれないが、「教科書倉庫ビル六階からの三発」というオズワルド単独犯行説のストーリー全体の核心中の核心をなしている証拠である以上、その意味はきわめて重大であると思われるからである。
さて、一見して、この証拠写真の状況は極めて不自然である。それはなぜか。
映画などでよく出てくる自動拳銃でおなじみだが、手動操作の銃でも、ボルト操作をゆっくり行わない限り、空薬莢は銃から飛ぶ形でイジェクトされる。
先の動画を再度確認していただきたい。カルカノ小銃の場合も他の多くの銃と同様に、射手から見て右側やや上向きに飛んで排出されることが見て取れる。
また、さほど急がずじっくりと行っていると見えるこの程度のボルト操作でも、空薬莢はかなり遠くまで飛ぶことがわかる。
ましてオズワルドの時間的余裕の許されない連続射撃では、ボルト操作も素早く行わなければならないだけに、なおさらだったであろう。
速射の鋭い操作によりイジェクターに強く尻を叩かれた薬莢は、さらに遠くへ、そしてタテ軸に対して横方向に回転して排出される。
では現場に残された薬莢はどうだったか。写真アと合わせ、次の写真を見ると状況がわかりやすい。

オズワルドは奥の開いた窓越しに、窓下に置いた段ボールに銃を握った手をを預け、ちょうど画面右下に向けて銃を放ったことになる。
銃から右上に飛んだ薬莢は、彼が壁のように積み上げた段ボールに跳ね返って床に落ち、こうしてたまたま並んだ、ということになるだろう。

この画像ウの左端に写った窓からちょうど斜め下に向け、段ボールの長辺に直角に、窓から銃身を突き出す形で、彼はライフルを構えたわけだ。
素早いボルト操作によって薬莢はかなりの勢いで、銃から概ね90度右のやや上方、写真の左下隅からいわば45度右手に回転しながら飛んだと考えられる。そして右側の段ボールの壁に当たって跳ね返ることになる。
そこで問題になるのが手前の二個、上掲証拠物件510号(写真ア)の「A」「B」と印された二つの空薬莢である。これらは、ほぼオズワルドの構えた窓の下、すなわち銃の近辺に落ちている。
特に最も手前の薬莢「A」に至っては、ほぼ銃の真横あたりの位置に残されていたことになる。
これら薬莢の位置は、彼の銃撃の様態から考えると、明らかに銃に近過ぎると見える。十秒以内に三連射した彼のボルト操作の激しさを考えると、どの射撃でも薬莢は「C」の位置くらいまでは飛ぶと考えるのが自然である。
二つの薬莢の、銃の位置との不自然な近さは、段ボールの壁に当たって「手前に」跳ね返ったとでもしないと説明がつかないが、そうしたことが角度的にまず起こらないことは、写真から一目瞭然であろう。
加えて、「A」及び「B」の薬莢が、ともに左手の窓の下の壁面と床の角に嵌まり込んだように落ちていることが注目される。
ライフル用実包の薬莢とは単なる円筒ではなく、頭が切られた長円錐のように胴部にテーパーがかかっていている。カルカノ6.5mm弾では、前述の特殊な弾倉を用いるためかかなり緩いものの、やはり若干のテーパーがついていることがわかる。


従って、これらの空薬莢が床に転がった場合、緩い半径の円弧を描くように転がったはずだ。
これら薬莢「A」「B」の状況からは、右側の段ボールに当たって跳ね返り床に落下した後、左側の壁まで転がって壁に当たって止まったとしか見えない。しかしそうだとすると、説明は困難となる。
改めてより鮮明な画像ウで確認してみよう。
薬莢「A」「B」ともに頭を画像奥に向けている。「A」はきれいに壁に密着しており、さらに「B」に至っては壁に頭部を接し基部が離れる微妙な角度で横たわっている。
これらの薬莢が右側の段ボールの壁に当たって床に転がったものだとすれば、胴部のテーパーによって、画像奥側を中心とし基部を円周とした弧を描いて転がることとなる。
一方、「A」及び「B」が段ボールの壁に当たり床を転がってこの位置・角度に落ち着いたのだとすれば、画像の右上側から「手前に」向けて、薬莢の基部を直径とする緩い円弧を描いて転がったとしなければならない。
前述の銃と薬莢との近さの問題からしても、そう考えるのが当然だろう。
しかし再度述べるが、これらの薬莢は、写真ウの画像左下隅にあった銃から、概ね右上45度方向の画像奥側に向け勢いをつけてイジェクトされたはずのものである。
だとするなら、段ボールの壁に跳ねた薬莢が、二つが二つとも床を「手前に」転がってくるということはまずあり得ない。必ず薬莢「C」のように画像の「奥に」向かって跳ねて転がっていくことになるだろう。
だすると、「A」「B」がともにこのような形で残されることは考えがたい。この画面奥に頭を向けているのだから、画像奥に向かって弾かれ、円弧を描いて転がった薬莢は、ほとんどの場合に壁に基部のみが接触しているはずだからある。
このため、薬莢「A」及び「B」がこのような位置と角度で落ち着くためには、段ボールに当たって跳ね返った薬莢が、たまたま壁と床の隙間に飛び込み、跳ね返ったり転がったりすることなく、磁石に吸いつけられでもするようにきちんとそこに嵌まり込んだ、とでも考えるしかない。
しかし、そうしたことが起こる確率というのが、一体どれほどあるのだろうか。特に、わずか三発のうちの二つが、同時にこのようにはまりこんで落ち着くという確率は、ほぼゼロであるに違いない。
そう考えてみると、回転しながら飛ぶはずの空薬莢の三つともが、揃って頭を画面奥の側に向けていることや、オズワルドの構えた銃と都合よく平行になる角度で床に残された薬莢「C」の存在までが気になってくるが、さすがにそれは邪推というものかもしれない。
いずれにしても、上記の薬莢「A」及び「B」の存在はきわめて不可解であり、これらの薬莢はオズワルドの射撃によるものではなく、偽装である可能性を強く示唆している。
しかし、このように少し考えればこれらの配置がきわめて不自然であるのはすぐにわかることであり、偽装工作だとすればあまりにも粗雑すぎる。
映画「JFK」では、教科書倉庫ビル6階に配置された実行犯チーム(オズワルドは階下で指示の電話を待っていた)が、予め用意していた空薬莢を退避しながら急いで置いていったのを再現していたが、実際そう考えないことにはつじつまが合わない状態である。
公式説・ウォーレン委員会報告書によるかぎり、ここでもまたひとつのあり得ない確率の現象=「奇跡」が成立してしまっている。
この証拠物件510号は、皮肉なことに偽装工作の存在を逆に証拠づけてしまっているのである。
さて、「オズワルドによる三発の銃撃があった」とする公式説を根本で支えているのは、他の何よりも現場に残された三つの空薬莢である。
つまり「現場に空の薬莢が三つ残っていた以上、銃撃も現場からの三発であったはずだ。あくまでそれが事実なのだ」というわけだ。

※写真ア:委員会証拠物件第510番として登録されている写真。右手の壁のように見えるのは、彼が犯行前に積み上げたとされる教科書の詰まった段ボールである。薬莢「A」「B」及び「C]のそれぞれの位置、頭の方向などを記憶にとどめていただきたい。
これがオズワルドが現場に残したとされる空薬莢の証拠写真である。
これらはごく小さな3つの薬莢に過ぎない。しかし、事件のカギを握る重要な「物証」である。
そこで残された写真を少し細かく見ていきたい。
些細なことを論っているように見えるかもしれないが、「教科書倉庫ビル六階からの三発」というオズワルド単独犯行説のストーリー全体の核心中の核心をなしている証拠である以上、その意味はきわめて重大であると思われるからである。
さて、一見して、この証拠写真の状況は極めて不自然である。それはなぜか。
映画などでよく出てくる自動拳銃でおなじみだが、手動操作の銃でも、ボルト操作をゆっくり行わない限り、空薬莢は銃から飛ぶ形でイジェクトされる。
先の動画を再度確認していただきたい。カルカノ小銃の場合も他の多くの銃と同様に、射手から見て右側やや上向きに飛んで排出されることが見て取れる。
また、さほど急がずじっくりと行っていると見えるこの程度のボルト操作でも、空薬莢はかなり遠くまで飛ぶことがわかる。
ましてオズワルドの時間的余裕の許されない連続射撃では、ボルト操作も素早く行わなければならないだけに、なおさらだったであろう。
速射の鋭い操作によりイジェクターに強く尻を叩かれた薬莢は、さらに遠くへ、そしてタテ軸に対して横方向に回転して排出される。
では現場に残された薬莢はどうだったか。写真アと合わせ、次の写真を見ると状況がわかりやすい。

※写真イ:上の写真アを反対側から写した写真。写真アの、A・B二つの薬莢がこの写真でも確認できる。
オズワルドは奥の開いた窓越しに、窓下に置いた段ボールに銃を握った手をを預け、ちょうど画面右下に向けて銃を放ったことになる。
銃から右上に飛んだ薬莢は、彼が壁のように積み上げた段ボールに跳ね返って床に落ち、こうしてたまたま並んだ、ということになるだろう。

※写真ウ:上掲の写真アを、やや引いて捉えた別の写真。左手がオズワルドが銃を構えたとされる問題の窓であり、手前の段ボール三つが、彼が依託射撃に用いたとされるものである。
この画像ウの左端に写った窓からちょうど斜め下に向け、段ボールの長辺に直角に、窓から銃身を突き出す形で、彼はライフルを構えたわけだ。
素早いボルト操作によって薬莢はかなりの勢いで、銃から概ね90度右のやや上方、写真の左下隅からいわば45度右手に回転しながら飛んだと考えられる。そして右側の段ボールの壁に当たって跳ね返ることになる。
そこで問題になるのが手前の二個、上掲証拠物件510号(写真ア)の「A」「B」と印された二つの空薬莢である。これらは、ほぼオズワルドの構えた窓の下、すなわち銃の近辺に落ちている。
特に最も手前の薬莢「A」に至っては、ほぼ銃の真横あたりの位置に残されていたことになる。
これら薬莢の位置は、彼の銃撃の様態から考えると、明らかに銃に近過ぎると見える。十秒以内に三連射した彼のボルト操作の激しさを考えると、どの射撃でも薬莢は「C」の位置くらいまでは飛ぶと考えるのが自然である。
二つの薬莢の、銃の位置との不自然な近さは、段ボールの壁に当たって「手前に」跳ね返ったとでもしないと説明がつかないが、そうしたことが角度的にまず起こらないことは、写真から一目瞭然であろう。
加えて、「A」及び「B」の薬莢が、ともに左手の窓の下の壁面と床の角に嵌まり込んだように落ちていることが注目される。
ライフル用実包の薬莢とは単なる円筒ではなく、頭が切られた長円錐のように胴部にテーパーがかかっていている。カルカノ6.5mm弾では、前述の特殊な弾倉を用いるためかかなり緩いものの、やはり若干のテーパーがついていることがわかる。


※上:ライフルの残弾である委員会証拠物件のカルカノ6.5mm弾 下:カルカノ6.5mm弾の各部寸法。円筒の基部が直径11.45mmと、上端10.94mmに対して0.5mm程度、円周に換算しておよそ1.5mm大きいことになる。この薬莢はおよそ3.5センチ転がると、それだけ中心の軸が傾いていくことになる。
従って、これらの空薬莢が床に転がった場合、緩い半径の円弧を描くように転がったはずだ。
これら薬莢「A」「B」の状況からは、右側の段ボールに当たって跳ね返り床に落下した後、左側の壁まで転がって壁に当たって止まったとしか見えない。しかしそうだとすると、説明は困難となる。
改めてより鮮明な画像ウで確認してみよう。
薬莢「A」「B」ともに頭を画像奥に向けている。「A」はきれいに壁に密着しており、さらに「B」に至っては壁に頭部を接し基部が離れる微妙な角度で横たわっている。
これらの薬莢が右側の段ボールの壁に当たって床に転がったものだとすれば、胴部のテーパーによって、画像奥側を中心とし基部を円周とした弧を描いて転がることとなる。
一方、「A」及び「B」が段ボールの壁に当たり床を転がってこの位置・角度に落ち着いたのだとすれば、画像の右上側から「手前に」向けて、薬莢の基部を直径とする緩い円弧を描いて転がったとしなければならない。
前述の銃と薬莢との近さの問題からしても、そう考えるのが当然だろう。
しかし再度述べるが、これらの薬莢は、写真ウの画像左下隅にあった銃から、概ね右上45度方向の画像奥側に向け勢いをつけてイジェクトされたはずのものである。
だとするなら、段ボールの壁に跳ねた薬莢が、二つが二つとも床を「手前に」転がってくるということはまずあり得ない。必ず薬莢「C」のように画像の「奥に」向かって跳ねて転がっていくことになるだろう。
だすると、「A」「B」がともにこのような形で残されることは考えがたい。この画面奥に頭を向けているのだから、画像奥に向かって弾かれ、円弧を描いて転がった薬莢は、ほとんどの場合に壁に基部のみが接触しているはずだからある。
このため、薬莢「A」及び「B」がこのような位置と角度で落ち着くためには、段ボールに当たって跳ね返った薬莢が、たまたま壁と床の隙間に飛び込み、跳ね返ったり転がったりすることなく、磁石に吸いつけられでもするようにきちんとそこに嵌まり込んだ、とでも考えるしかない。
しかし、そうしたことが起こる確率というのが、一体どれほどあるのだろうか。特に、わずか三発のうちの二つが、同時にこのようにはまりこんで落ち着くという確率は、ほぼゼロであるに違いない。
そう考えてみると、回転しながら飛ぶはずの空薬莢の三つともが、揃って頭を画面奥の側に向けていることや、オズワルドの構えた銃と都合よく平行になる角度で床に残された薬莢「C」の存在までが気になってくるが、さすがにそれは邪推というものかもしれない。
いずれにしても、上記の薬莢「A」及び「B」の存在はきわめて不可解であり、これらの薬莢はオズワルドの射撃によるものではなく、偽装である可能性を強く示唆している。
しかし、このように少し考えればこれらの配置がきわめて不自然であるのはすぐにわかることであり、偽装工作だとすればあまりにも粗雑すぎる。
映画「JFK」では、教科書倉庫ビル6階に配置された実行犯チーム(オズワルドは階下で指示の電話を待っていた)が、予め用意していた空薬莢を退避しながら急いで置いていったのを再現していたが、実際そう考えないことにはつじつまが合わない状態である。
公式説・ウォーレン委員会報告書によるかぎり、ここでもまたひとつのあり得ない確率の現象=「奇跡」が成立してしまっている。
この証拠物件510号は、皮肉なことに偽装工作の存在を逆に証拠づけてしまっているのである。
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