愛媛の伝承文化

大本敬久。民俗学・日本文化論。災害史・災害伝承。地域と文化、人間と社会。愛媛、四国を出発点に考えています。

10月6日開幕 「佐田岬半島と西日本の裂織(さきおり) 」展

2012年10月02日 | 日々雑記
愛媛県歴史文化博物館の特別展。

「 佐田岬半島と西日本の裂織(さきおり) 」
まもなく開幕します。

詳しくはこちら。
http://www.i-rekihaku.jp/exhibition/index.html

全国の裂織、北は青森県から南は鹿児島県まで。特に京都府丹後の裂織(国指定有形民俗文化財)や、地元愛媛の佐田岬半島の裂織の仕事着を一堂に展示する滅多にない機会です。


開催期間 : 平成24年10月6日(土)~12月2日(日)

開館時間 : 午前9時~午後5時30分(入館は午後5時まで)

休館日 : 毎週月曜日(但し、10月8日[月]、11月5日[月]開館、10月9日[火]、11月6日[火]休館)

主 催 : 愛媛県歴史文化博物館

後 援 : 愛媛県市町教育委員会連合会・愛媛新聞社・NHK松山放送局・南海放送・テレビ愛媛・あいテレビ・愛媛朝日テレビ・愛媛CATV・FM愛媛

【展示趣旨】
古木綿などを裂き、新たな布を再生する手仕事の技・裂織(さきおり)。丈夫で暖かく、撥水性があり、色彩豊かな裂織の布地は、農・山・漁村の仕事着として生まれ変わり、厳しい労働から身体をやさしく護り、人々の生活を支えてきました。
裂織の衣服は、主に東北や日本海沿岸地方に伝わったものが知られてきました。日常的な生活用具である仕事着は、不用となると処分されるため残りにくく、各地でわずかに現存する裂織の衣服は、貴重な民俗文化財として、国や自治体の指定文化財となっているものもあります。
平成9~10年に実施した当館の調査により、四国の最西端に位置する愛媛県佐田岬半島では、長年、裂織による濃密な衣生活が営まれていたことがわかりました。以来、佐田岬半島の裂織は、西日本・四国地方に存在する貴重な事例として、全国的に注目されています。
本展では、当館の佐田岬半島の裂織コレクションとあわせて、青森の炬燵がけ、新潟のツヅレ、島根県隠岐諸島の珍しい貫頭衣式のクビヌキ、広島県山間部のツヅレ、鹿児島県下甑島のニンブなど、日本各地の様々な裂織を紹介します。なかでも、平成22年、国の重要有形民俗文化財に指定された「丹後の紡織用具及び製品」の中から、京都府丹後地方の裂織を特別に公開します。丹後地方宮津の廻船問屋で道行着として仕立てられたミチユキは、おしゃれで美しく、大変珍しいものです。
裂織は従来、東日本・日本海の衣文化として捉えられていましたが、本展で紹介する四国・佐田岬半島、近畿、中国、九州の各地方の裂織を通じて、西日本の裂織について考える機会となれば幸いです。
近年、趣味で裂織をする愛好家が増えています。最後まで布を捨てることなく活用した先人の布を慈しむ心。
次々に新たな用途へと甦らせていく創作的な手仕事の技。裂織には、使い捨て文化の生活を見直し、資源循環型社会づくりが課題とされている現代のわたしたちに大切なメッセージをなげかけています。

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