花園病院でライブ&ワークをしました。
ここはこころの病院です。
長期入院や外来のディケアの患者さん約50名の方と心がつながるいい時間を過ごしました。
今日は写真と映像とのコラボライブ。
「音を観る」ワークもあります。
フォトグラファーの松村誠さんと二人でうかがいました。
とても心強い。
ここちよい音が聞こえてくる写真もたくさん連れていきました。
お気に入りの写真に囲まれてのライブ、緊張がないのはそのせいでしょうか?
患者さんたちは病気の特徴でもある、自閉的で他者と向き合う事が得意ではないこと、反応が少ないかもしれないこと、中座があることはうかがっていたので、覚悟ではじまったライブでした。
「いろいろな参加のしかたがあるのでその人の楽しみ方を邪魔しない」事前に誠さんと確認しあった事です。
病院スタッフの方も見守っていて下さいます。
静かに、カリンバで大きな古時計からはじめました。
会場から小さな歌声が聞こえます。
出来るだけ耳馴染みのある歌を選び、音であそび心いっぱいに表現しました。
「おぼろ月夜」では壁面いっぱいに映像も広がります。
会場から自然と歌声が聞こえてきました。
投影してるはずの誠さんも口ずさんでいます。
みんなの気持ちがとろけてひとつになっていくような雰囲気です。
「春がきた」はみんなで春の音でセッションしました。
音の紹介をして、ダメもとで「音を演って下さる人?」と聞いてみました。
そっと、手が上がりました、次々と・・・。
みんな楽器を受け取る時は恥ずかしそうにでもうれしそうな笑顔です。
手渡すあたしもとてもうれしくなりました。
職員の方も自発的に手をあげた事にビックリされたそうです。
さて、ごきげんのセッションは続きます。
お待たせしました!
「かきのたね」です。
誠さんにジャンベ(デビュー)をお願いしました!!
すごいです、患者さんは積極的に楽器を持って下さるし、手拍子もおこるし、みんなの顔が笑ったね♪でした。
楽器をメンバーチェンジし、だんだん盛り上がります。
全員がとろけて丸いお月さまになったぞっ!!
「かきのたね」最高でした!
「音を観る」セッションは一枚の写真からみんなで音を観ました。
そして、感じる。
音になってみる。
ここちよいひびきの音を用意しました。
他人と向き合う事や協調しあう事が得意でないみなさんとうかがっていましたが、ちゃんと気配を感じています。自分のだす音に聴き入っている人もいます。
万華鏡のような一期一会の音です。
いい時間でした。
会場の中に風がふきます。
川のせせらぎが聞こえます。
鳥がなきます。
空気を感じます。
ひびきあう「いのち」の音が重なりあいました。
感激です。
あたしは患者さんたちが白い花のような気がしてきました。
「音を観る」これは心の観音さまと向き合うことです。
オリジナル曲「樹より」「君へ」に映像を付けていただきました。
静かに、やさしく・・・でも奥に秘めた強いエネルギーが「生命」へのよびかのような写真たち。
気持ちよく大いなるものの前で声をだしているような気分で歌えました。
とてもしっかり聴いて下さいます。
受け入れて下さったという安心感の中でうえたこと、感謝です。
90分最後まで全員参加!!
やったね!
「いのち」のありかを言葉で音で写真で・・・
あたしも誠さんも手法が違うからこそひとつになった時に表現の広がりができ、語り伝えることができたのだと思いました。
もちろん、写真のちからがあたしの足りないところを満たしてくれたのですが。
そして、音。
今回はいつもより重なる音の組み合わせや、ひびきあう・・・ここちよい自然の音を選びました。
どうぞ、いつかこのワークに出会ってください。
偶然今日の山日新聞にも精神科への偏見や知らないがための恐れについて書かれていました。
精神科がもっと身近な存在であることや、まわりの正しい理解があれば、さらに患者さんが治療を安心して受けられるだろうし、家族のみなさんのまわりへの気遣いも軽減されるように思います。
こころの病と向き合っておられる方の清らかな内面、人がもつ恥じらいのやさしい笑顔で、私たちに心を開いてくださったこと。
「ちから」をいただくということはこういう事なのだと感じました。
そして音楽の持つ力、写真から伝わってくるひかりにまたまた感動しました。
参加してくださったみなさん、病院スタッフのみなさん、昨日の新しい道を一緒に歩下さった誠さん本当にありがとうございました。
ライブの最後に「君へ」がよかったと言って下さったマダム、ありがとうございました。