ヴァニラ・アイスはプラチナの夢をみるか?

サンプル数一人の話。日記、アニメの感想などを独りよがりに書いてます。

『この世界の片隅に』スカパー課題アニメ映画2018年3月号

2018-02-19 01:24:14 | アニメ・特撮系
映画『この世界の片隅に』を先日、劇場にて通算5回目の観賞をしてまいりました。2016年11月の封切からのロング上映はたいしたものですが、DVDも発売されて久しいのにいまだに劇場でも人が入っているということに驚かされます。

そしてようやくCSでも3月に放送が決定されましたね。ワタクシのブログではこの作品をちゃんと取り上げてなかったので、この機会にちゃんと感想を書いていこうと思います。

ということで、スカパー課題アニメ映画2018年3月号『この世界の片隅に』開幕でございます。


『この世界の片隅に』


本作はこうの史代の同名漫画を原作とする、片渕須直監督・脚本の長編アニメ映画。2016年11月12日より上映開始されました。本編は129分とアニメ映画としては長め。ちなみに当初の予定はさらに長い時間を予定していたが、制作上の都合で129分になった経緯があり、原作からカットされたエピソードも数多くあります。

本作は公開後大ヒットし、2018年2月現在でも上映中です。また制作資金の一部をクラウドファンディングで集めたということでも話題になりました。

さらにこの大ヒットを受け、当初の絵コンテに沿った長尺版(160分)を制作することが2017年11月に正式に発表されました。

あらすじ

18歳のすずさんに、突然縁談がもちあがる。
良いも悪いも決められないまま話は進み、1944(昭和19)年2月、すずさんは呉へとお嫁にやって来る。呉はそのころ日本海軍の一大拠点で、軍港の街として栄え、世界最大の戦艦と謳われた「大和」も呉を母港としていた。
見知らぬ土地で、海軍勤務の文官・北條周作の妻となったすずさんの日々が始まった。

夫の両親は優しく、義姉の径子は厳しく、その娘の晴美はおっとりしてかわいらしい。隣保班の知多さん、刈谷さん、堂本さんも個性的だ。
配給物資がだんだん減っていく中でも、すずさんは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、毎日のくらしを積み重ねていく。

ある時、道に迷い遊郭に迷い込んだすずさんは、遊女のリンと出会う。
またある時は、重巡洋艦「青葉」の水兵となった小学校の同級生・水原哲が現れ、すずさんも夫の周作も複雑な想いを抱える。

1945(昭和20)年3月。呉は、空を埋め尽くすほどの数の艦載機による空襲にさらされ、すずさんが大切にしていたものが失われていく。それでも毎日は続く。
そして、昭和20年の夏がやってくる――。(公式HPより引用)


感想


本作は一言でいえば、戦時中の日本人をほのぼのと、そして丹念に描いた原作の味をそのままアニメにした上で、監督の得意分野である軍事的なリアリティを加えて完成した作品です。

ほのぼのといっても戦時中なので戦争の悲劇は描かれていますが、基本的には庶民の喜怒哀楽を描くことを中心にしています。なので戦争が激化し、本土への本格的な空襲が始まるまでは笑えるシーンも多くて劇場でも結構笑い声が響いていたのが印象的でした。

そんなところで突然顔を出してくる”戦争”。

ほのぼのとした絵柄の人物にリアリティのある戦闘機たちの攻撃シーンの対比はまさに紙をビリビリと大きな音を立てて破くかごとくで秀逸。戦争で貧しいながらもそれなりに明るく暮らしてきた人たちを突如飲み込んでくる”戦争の怖さ”を上手く表現していたと思います。

それにしても本作を観て人間の基本が”食事”であることを思い知らされます。何度も何度も食事シーンが出てきます。戦争が始まる前も、始まっても、激しくなっても、そして戦争に敗けても。人間に明日がくるたびに”食事”をとるワケですから。

だから、すずさんの姑のサンさんが敗戦後に”いよいよという時のため”の白米を食べるときも「全部食べちゃあいけんよ。明日も明後日もあるんじゃけえ」というセリフがとても印象的でした。

人間って死ぬまで生きてるワケですからね~。

映画『この世界の片隅に』予告編


作画はすごく丁寧。コトリンゴさんの音楽、歌もすばらしい。そしてなにより銃撃シーン、爆撃シーンのリアリティさが印象的でした。作画もですが、効果音がすごかったです。襲撃や爆撃の音が意外に軽く、乾いた感じがわざとらしくなく、より恐ろしさを感じました。

それから資料や聞き取りなどから戦時中の広島・呉の町の様子や空襲だけでなく空襲警報などの世の中の出来事までも徹底して再現した試みは物語そのものを離れて評価したい点です。

どの作品でも現実世界を舞台にした場合に物語がフィクションであっても当時の状況が嘘っぱちすぎないようにするもんでしょうが、本作はもっとすごいですね。

冒頭に広島の”中島本町”が登場しますが、今はこの町は存在しません。なぜならば8月6日の原爆投下で壊滅してしまうからです。今では平和記念公園となっていますので当時の面影はほとんど残っていませんが、監督は当時の資料や語り部の人たちからアニメでその町を再現したのです。

”失われた町”の再現は本編のストーリーと直接関わるものではありませんが、こういう映像があればこそ、そこに生きていた人たちが確かにいたことを時を隔てたワタクシでもイメージできると思うのです。

ちなみにのりを届ける序盤のエピソードの際に登場する”大正呉服店”の建物は原爆にも耐え、現在は”レストルーム”として現存しています。

もしこの映画のロケ地巡礼をするならば立ち寄っていただきたいと思います。

さて、話を映画に戻しましょう。

ワタクシは本作を観賞するまで、戦時中の日本人をどこか遠くの人たちと思ってきました。ワタクシにとっても祖父祖母の世代なのでも理性ではそんなことはないともちろんわかってはいるのですが、戦後の教育のためか、たんなる勉強不足か、心の奥底ではフィルターをかけて見ていたと思います。

でも日本に暮らす庶民を描いたこの映画を通じて、そのフィルターが完全に外れ、当時の日本人も確かにワタクシにつながっているんだと確信が持てたと思います。

そう思うと過去を生きて、ワタクシたちにつなげてくれた全ての人たちが愛おしくなってきました。歴史の見方はいろいろでしょうから、ワタクシと同じ心境にならない人も多いかもしれませんが・・・。

そういう意味でもぜひ観てほしい映画ですね。

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のん,細谷佳正,稲葉菜月,尾身美詞,小野大輔
バンダイビジュアル


ワタクシはブルーレイを買いました。納得の画質ですが、ワタクシが注目した戦闘機の襲撃、爆撃シーンの効果音も十分迫力がありましたので、CSでのTV放送でも期待ができます。

ところでキャストに触れていませんでした。主役のすず役であるのんさんを始め、この役はこの人しかないという絶妙なキャスティングだったと思います。個人的には周作の姉径子役の尾身美詞さん、周作の父円太郎役の牛山茂さんがお気に入りですね。

全編広島弁ですので演技も大変だったと思うのですが、姑サン役で広島出身の新谷真弓さんが方言指導を行ったことや周作役の細谷佳正さんも広島出身ということもあり方言も違和感はあまりなかったと思います(ワタクシは岡山県人ですから細かいことはわかりませんが・・・)。

それからスタッフエンドロールでは原作では描いてない、すずさんたちのその後が少しだけ描かれます。すごくいい終わり方なんですよ~。これを観ると”すずさんが今でも呉のどこかで生きてるんじゃないか”って思ってしまうんですよね。

さらにエンドロールの後に流れるクラウドファンディングに参加した人たちの名前が並ぶもう一つの”エンドロール”も秀逸で、映画本編でほぼカットした白木リンのことが描かれます。

そして最後の最後には・・・・が・・・・してくれます。ワタクシ、これを最初に観た時に鳥肌が立ちました。詳しくは本編を観てのお楽しみってことでここでは書きません。

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)
こうの 史代
双葉社


今回、ブログに映画版の記事を書くので改めて原作の方も読み返してみました。漫画は独特な絵のタッチと構成なので少し読みづらい印象ですね。アニメ観てから読んでもいいかもしれませんね。

ところでアニメでは白木リン関係のエピソードをバッサリとカットしています。なので少しピンとこないシーンもありました。そこを補完するためにはぜひ原作も手に取っていただきたいですね。

まぁそれも読んだらアニメの”すずさん”の印象とのギャップを感じるかもしれませんが・・・。


放送局:日本映画専門チャンネル

  3/18(日) 21:00 
  3/21(水) 21:00 
  3/25(日) 18:10


本編の前後に片淵監督のインタビューがあるとのこと。それも注目ですね。

TV初登場が地上波ではなくCSでの放送というのは少し残念ではありますが、エンドロールまでしっかり観ていただきたいのでカットせずに放送できるCSはちょうどよかったですね。

いや~、それにしてもこの映画って感想書くの難しいですね。何度観てもいろいろ思うことが出てくるもんで、何度も観てるから書きたいことがまとまらなくて大変でした。

今回の文章でこの映画の魅力をうまく書けたとは思っていませんので、つまんなそうな映画だな~って思っても騙されたと思って本作を観てほしいです。それだけの映画ではあると思います。

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