『ゴジラ対ヘドラ(1971)』
1971年(昭和46年)7月24日に「東宝チャンピオンまつり」の一編として公開された東宝製作の日本映画で、ゴジラシリーズの第11作です。監督は坂野義光さん、特技監督は中野昭慶さん。本作は公開当時に大きな社会問題であった公害問題を題材に採った作品。この他サイケデリック文化や若者のモラトリアムなど同時代の要素も盛り込まれ、劇中に公害をテーマとしたアニメが挿入されたり、ゴジラが飛ぶなど異色作となっています。登場怪獣はゴジラ、ヘドラ。上映時間は85分。
あらすじ
駿河湾で巨大なオタマジャクシに似た怪物が誕生していた。怪物は駿河湾航行中のタンカーを襲う。海洋学者の矢野は怪物が海中に溜まったヘドロと宇宙鉱物から生まれたと推測。ヘドロの怪物”ヘドラ”は公害を主食に進化し巨大化を繰り返し、巨大な怪獣へと変貌を遂げた!ヘドラは硫酸ミストを撒き散らしながら町を襲う。そこへゴジラが現れた!ゴジラとヘドラは激戦を繰り広げるが、決着は付かない。ヘドラによる被害はますます増大し、深刻な社会問題となるなか、ヘドラはとうとうゴジラをしのぐほどに巨大化し、富士山麓に出現。そしてゴジラも現れ、ヘドラとの最終決戦が始まる。果たして勝負の行方は!?
感想
劇中にアニメを挿入したり、ゴジラを飛ばしてみたりと新しい試みは素晴らしいと思うんですが、娯楽性が薄いと思いました。
タイトルやあらすじの通りゴジラとヘドラの戦う映画ではあるんですが、それ以上に公害への批判というメッセージ性を強調しすぎる演出が少しうざかったですね。
初代ゴジラだって”水爆実験への警鐘を鳴らす”などメッセージ性も含んでいますが、基本は”パニック映画”ですからね~。
それに比べて本作は冒頭から公害批判の歌(かえせ!太陽を)と汚染された海の映像で始まるワケでメッセージ性が前面に出過ぎでした。
かえせ!太陽を
この曲の曲調は明るいのですが、汚染物質をリズミカルに羅列するのが逆に怖いです。汚染された海の映像もかなり怖く、とても”怪獣映画”を観るテンションではいられません。
それに子供用の怪獣映画にしては残酷な描写も多くて観たらトラウマになる子供達もおおいのではないでしょうか?
でも上映時には結構な人が入ったというのですから意外です。それだけ当時の日本人にとって公害が深刻で問題意識も高かったということを表しているのかもしれませんね。
1971年といえば公害から生まれた怪獣と戦う特撮ヒーロー『スペクトルマン』の放送開始された年でもあります。こういう側面からも公害の深刻さがみてとれるような気がしますね。
それはさておき本作は怪獣映画としてそれなりに面白かったと思います。
というのもヘドラの不気味でグロい容姿は別にして段々に進化していく様子や怪獣としての強さは怪獣好きにはたまらない要素だと思うからです。
そのためゴジラ対ヘドラは白熱します。ゴジラが一方的にやられる描写もあってハラハラさせてくれました。
【公式】「ゴジラ対ヘドラ」予告 根強い人気の公害怪獣ヘドラとの闘いを描いたゴジラシリーズの第11作目。
本作での特撮は怪獣の操演やミニチュアだけでなく、恐怖演出にも使われているので見どころの一つと思います。今から見ると少しちゃちではありますが、嫌いじゃないです。
それからゴジラが飛ぶシーンについてアイデアは面白いんですが、結構間抜けな姿でズッコケました。。
放射火炎を推進力にして飛ぶってアイデアはいいのですが、このエビみたいな姿、なんとかならんかったのか?
低予算のためキャストは新人さんが多かったそうです。その新人俳優の中に後に『シルバー仮面』という特撮ヒーローで主役をはる柴俊夫(本作では柴本俊夫でクレジット)さんがいました。若くて初々しい演技は見どころの一つと思います。
こんな容姿ですが、光線技を持っていたり、飛行形態に変形できるなどの万能さでゴジラをかなり苦しめた怪獣です。結末を知らずに観てますから、ゴジラ死んじゃった?と思うシーンもあるので終盤の怪獣バトルは結構面白かったです。
かと言って決してオススメできる作品ではありません。観るときは自己責任でお願いします。
ということで今回はここまで。次回乞うご期待!
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1971年(昭和46年)7月24日に「東宝チャンピオンまつり」の一編として公開された東宝製作の日本映画で、ゴジラシリーズの第11作です。監督は坂野義光さん、特技監督は中野昭慶さん。本作は公開当時に大きな社会問題であった公害問題を題材に採った作品。この他サイケデリック文化や若者のモラトリアムなど同時代の要素も盛り込まれ、劇中に公害をテーマとしたアニメが挿入されたり、ゴジラが飛ぶなど異色作となっています。登場怪獣はゴジラ、ヘドラ。上映時間は85分。
あらすじ
駿河湾で巨大なオタマジャクシに似た怪物が誕生していた。怪物は駿河湾航行中のタンカーを襲う。海洋学者の矢野は怪物が海中に溜まったヘドロと宇宙鉱物から生まれたと推測。ヘドロの怪物”ヘドラ”は公害を主食に進化し巨大化を繰り返し、巨大な怪獣へと変貌を遂げた!ヘドラは硫酸ミストを撒き散らしながら町を襲う。そこへゴジラが現れた!ゴジラとヘドラは激戦を繰り広げるが、決着は付かない。ヘドラによる被害はますます増大し、深刻な社会問題となるなか、ヘドラはとうとうゴジラをしのぐほどに巨大化し、富士山麓に出現。そしてゴジラも現れ、ヘドラとの最終決戦が始まる。果たして勝負の行方は!?
感想
劇中にアニメを挿入したり、ゴジラを飛ばしてみたりと新しい試みは素晴らしいと思うんですが、娯楽性が薄いと思いました。
タイトルやあらすじの通りゴジラとヘドラの戦う映画ではあるんですが、それ以上に公害への批判というメッセージ性を強調しすぎる演出が少しうざかったですね。
初代ゴジラだって”水爆実験への警鐘を鳴らす”などメッセージ性も含んでいますが、基本は”パニック映画”ですからね~。
それに比べて本作は冒頭から公害批判の歌(かえせ!太陽を)と汚染された海の映像で始まるワケでメッセージ性が前面に出過ぎでした。
かえせ!太陽を
この曲の曲調は明るいのですが、汚染物質をリズミカルに羅列するのが逆に怖いです。汚染された海の映像もかなり怖く、とても”怪獣映画”を観るテンションではいられません。
それに子供用の怪獣映画にしては残酷な描写も多くて観たらトラウマになる子供達もおおいのではないでしょうか?
でも上映時には結構な人が入ったというのですから意外です。それだけ当時の日本人にとって公害が深刻で問題意識も高かったということを表しているのかもしれませんね。
1971年といえば公害から生まれた怪獣と戦う特撮ヒーロー『スペクトルマン』の放送開始された年でもあります。こういう側面からも公害の深刻さがみてとれるような気がしますね。
それはさておき本作は怪獣映画としてそれなりに面白かったと思います。
というのもヘドラの不気味でグロい容姿は別にして段々に進化していく様子や怪獣としての強さは怪獣好きにはたまらない要素だと思うからです。
そのためゴジラ対ヘドラは白熱します。ゴジラが一方的にやられる描写もあってハラハラさせてくれました。
【公式】「ゴジラ対ヘドラ」予告 根強い人気の公害怪獣ヘドラとの闘いを描いたゴジラシリーズの第11作目。
本作での特撮は怪獣の操演やミニチュアだけでなく、恐怖演出にも使われているので見どころの一つと思います。今から見ると少しちゃちではありますが、嫌いじゃないです。
それからゴジラが飛ぶシーンについてアイデアは面白いんですが、結構間抜けな姿でズッコケました。。
放射火炎を推進力にして飛ぶってアイデアはいいのですが、このエビみたいな姿、なんとかならんかったのか?
ゴジラ対ヘドラ 東宝DVD名作セレクション | |
坂野義光 | |
東宝 |
低予算のためキャストは新人さんが多かったそうです。その新人俳優の中に後に『シルバー仮面』という特撮ヒーローで主役をはる柴俊夫(本作では柴本俊夫でクレジット)さんがいました。若くて初々しい演技は見どころの一つと思います。
GARAGE TOY デフォリアル ヘドラ 全高約140mm PVC製 塗装済み 完成品 フィギュア | |
エクスプラス(X PLUS) | |
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こんな容姿ですが、光線技を持っていたり、飛行形態に変形できるなどの万能さでゴジラをかなり苦しめた怪獣です。結末を知らずに観てますから、ゴジラ死んじゃった?と思うシーンもあるので終盤の怪獣バトルは結構面白かったです。
かと言って決してオススメできる作品ではありません。観るときは自己責任でお願いします。
ということで今回はここまで。次回乞うご期待!
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最近ヴァニラさんのおかげでまたまたゴジラ熱ですよ
ありがとうございます、ヴァニラさんのおかげでミニラ盛り上がってましたから仕事終わってミニラ2本みてした
多分見てるけどヘドラはキモかったからあまり記憶にないです
王道の怪獣が好きなもんで
モスラの映画も3まであるのでネットで探してぜひおすすめです
ゴジラ熱再燃は素晴らしい!
そうなんですよ。ヘドラはきもいし、王道の怪獣映画じゃないんですよね~。
変化球すぎて怪獣映画観たいコッチとしては十分楽しめなかったです。
新しい方のモスラも今後観ていく予定です。観たらブログの書いていきますのでよろしくお願いします。
「ゴジラ対ヘドラ」は昭和ゴジラシリーズの中でも、その描写の陰湿さ、グロテスクさは類を見ませんね(というか、見返してみると昭和ゴジラシリーズのどれもが独特の個性を持っていて、イメージが統一されていない気がしてきました)。
本作の上映当時は環境汚染がピークだったようで、大きな問題になっていたようですね。高度成長期、日本の産業革命時代の頃は空を真っ黒にする煙突の煙が繁栄の証として称賛されていたようですが、後々それが害悪になっていく事は想像がつかなかったのでしょうか。
核の落とし子であるゴジラは、同じように人間の作り出した「毒」から生み出されたヘドラに自分と同じ影を見て悲しいものを感じたかもしれません。でも、地球に生きる者として地球を汚染し破滅に導く者とは戦わなければならない。
この頃のゴジラは人間に距離は近付いてきていても、決して人間の為に戦っていた訳では無いのですよね(でも、次作では少なくとも日本には好意的になってくれるみたいです)。
今にして思えば、この重苦しい雰囲気を吹き飛ばす為に例の悪評高き「ゴジラの飛行」が必要だったのかもしれません。大きな問題に悲観的にならず、前向きに(後ろ向きだけど)進んで行こう。そういうメッセージが込められているのかもしれません。その結果、ゴジラは強敵ヘドラに辛くも勝利しました。
田子の浦や四日市の汚染が凄かったようですが、大阪でも淀川の汚染が酷くて一時は魚が住めなかった時期もありました。今では環境の改善が進んでフナやタナゴが戻ってきて、空もいくらか澄んできたように思えますが、今はダイオキシンの影響による異常気象という別の環境問題が出てきているのですよね。
昔に比べれば汚れが見えなくなっただけで、根っこの所は何も変わっていないのかと思うと考えてしまいます。このダイオキシンこそが、映画の最後に出てきた「もう1匹のヘドラ」なのでしょうか。でも、私は悲観的にならず人間の英知を信じて前向きに生きていきたいです。
いつもながら深い考察には脱帽でございます。何度も書いているかもしれませんが、ワタクシは映画の上辺だけしかみることができていなことを痛感いたします。
それにしても現実世界ではダイオキシンなどの問題を考えると様々なところで”ヘドラ”の胎動は始まっているのでしょうね。人類の英知にかけるしかありませんね。