ヴァニラ・アイスはプラチナの夢をみるか?

サンプル数一人の話。日記、アニメの感想などを独りよがりに書いてます。

『空の大怪獣ラドン(1956)』「キャメラをとめるな!」が生んだ名ラスト

2019-01-12 10:20:10 | 映画系
『空の大怪獣ラドン(1956)』

1956年12月26日に公開された、東宝制作の怪獣映画。東宝初のカラー怪獣映画である。 初代『ゴジラ』と同じ監督は本多猪四郎さん、特技監督は円谷英二さんのコンビ。上映時間82分。登場怪獣ラドン、メガヌロン。


あらすじ

阿蘇の炭鉱町で奇怪な連続殺人事件が起る。真犯人の正体は巨大なヤゴ・メガヌロンだった。炭鉱技士の河村はメガヌロンを追って自衛隊らとともに坑道の内部へ赴くが、落盤に巻き込まれ行方不明に・・・。時を同じくして航空自衛隊司令部に国籍不明の超音速飛行物体が報告された。確認に向かった自衛隊機は謎の飛行物体に叩き落され、東アジア各地にも出現し各国を混乱に陥れていた。一方、阿蘇では家畜や人間が行方不明になる事件が発生していた。そんな頃、記憶喪失になった河村が発見された。鳥の卵の孵化を見たことをきっかけに記憶を取り戻した河村はメガヌロンをついばむ巨大生物のことを語るのだった。河村の証言のもと、調査に乗り出した調査団の眼前で古代翼竜の大怪獣ラドンが飛び立つ。ラドンは自衛隊の戦闘機から追撃を受けながら福岡に辿り着いた。さらにもう1頭のラドンが現れ町を破壊して飛び去ってしまった。2頭の空飛ぶ大怪獣に人類は屈してしまうのか?

感想

「まだキャメラをとめるな!」と特技監督の円谷英二は撮影のスタッフに叫んだ。当初 噴火する阿蘇山上空を弧を描いて飛ぶはずだったラドンのピアノ線が溶岩を模した溶鉄のため高温にさらされ切れてしまった。当然、操演は不可能だが、円谷はこれを操演スタッフのアドリブと思いスタッフに撮影を続行させたのだ(撮影終了後に操演スタッフから事情を聞いたが、撮り直さないことに決定した)。結果、本当に力尽きたかのように見えるラストシーンとなった。

これは本作のラストシーン撮影時に残る逸話です。

2匹のラドンが溶岩で焼かれ、倒れるラストシーンはどこか物悲しくやるせない気持ちになる本作屈指の名シーンだと思っていますが、それが偶然から生まれたものとは驚きです。

本作はラドン達怪獣をあくまで”生き物”として描いており、偶然にも現代に甦ってしまった古代の生物が現代の地上の支配者”人間”に被害を与えてしまったことで”人類と敵対”してしまうワケです。

人類も怪獣との共生を考慮せずに自らを脅かす存在として損害を厭わず(警官隊の命、溶岩の被害にあう集落etc.)に滅ぼしにかかるのです。

だから本作は”怪獣退治”を描きながらも実は一番残酷な生き物は”人間”ではないかというメッセージが込められているようにも感じました。

それゆえにラドンが力尽きるラストシーンがすごく効果的であったと思います。逆説的にいえば”このラスト以外ありえない”とも思いました。

Rodan movie trailer


物語全体は謎の連続殺人事件の発生というミステリータッチの幕開け、人間大の怪獣メガヌロンとの死闘。それに続き始まるラドン登場からの巨大怪獣物語という82分なのにかなり濃い内容の映画でした。

おかげで飽きの来ない映画に仕上がっていたと思います。

それにしても特撮部分の見どころは満載で60年経過しても色あせないシーンばかりです。

ラドンが走るジープを後から追い越し、そのソニックブームでジープがひっくり返るシーンは圧巻です。またラドンに福岡の町が破壊されるシーンも大迫力です。精緻なミニュチュアはカラー映画になっても本物っぽさが失われることはありませんでした。

それからラドンを追尾する自衛隊機シーンも空撮、特撮をうまく組み合わせてリアルなものに仕上げていて関心しました。

空の大怪獣ラドン [東宝DVD名作セレクション]
黒沼健,村田武雄,木村武
東宝


キャストは後に『ウルトラQ』で万城目淳役を演じる佐原健二さんが主演。若々しい演技はなかなか微笑ましかったですね。それからヒロインの白川由美さんも若くて可愛かったですね。

まぁ人間側のドラマはラドンが登場して以降ではあんまり魅力がなくて、「あの役者さんがめちゃくちゃ若い!」って感じでテンションが少し上がるだけでした・・・。

ゴジラシリーズ ラドン ソフビ
株式会社 バンダイ
株式会社 バンダイ


ラドンってなかなかカッコいいデザインしてますよね~。後に『ゴジラ』シリーズの常連になっていくのも頷けます。

でも”プテラノドン”と同じ種類の動物かというと全然似てないですね。それはツッコンじゃいけないことでしたね・・・。


ということで今回はここまで。次回乞うご期待!

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