市原市議会議員 小沢美佳です

市政や議会の報告、日々の活動や想いを綴ります。
一番身近な地方政治の面白さが、皆さんに伝わりますように・・・

「百年後芸術祭 内房総アートフェス」 その費用対効果は?

2025-03-06 | 観光
昨年春に開催された「百年後芸術祭 内房総アートフェス」。
私自身はアートに触れる機会として楽しませて頂きましたが、
行かれた方、そうでない方、また、全く知らなかった方も多いかと思います。

市原市では「アート×ミックス」として2014年から南部の里山で3年ごとに開催してきましたが、
4度目の2024年は、ちょうど千葉県誕生150周年記念事業として、
内房総5市の共同開催という形で行われました。

今回、市原市からは3億800万円(企業からの寄附含む)もの予算が投じられました。
決して小さな額ではありません。

先日、議会でこの芸術祭について質疑したのですが、
市独自の検証を全く行っておらず、なんとも歯切れが悪い答弁ばかり。
これには正直、がっかりしました。

芸術祭の目的は、地域の活性化や市民の誇りを育むこと。
でも、そのためにはデータに基づく検証が不可欠ですし、
具体的な成果が見えなければ意味がありません。

さらに、3年後の開催の準備費用として3000万円もの予算が計上されていることにも疑問を感じます。
未来への投資は大切ですが、その前に検証結果をきちんと説明する責任が行政にはあるはずです。

私は決して芸術祭を否定しているわけではありません。
アートには人を惹きつけ、心を豊かにする力があります。

ただ、これまで市原市が投じてきたイベント開催4回分の経費は約14億5600万円。
さらに非常に多くのマンパワーが費やされています。
「それだけあれば、他に何ができただろう…」
そう思わずにはいられません。

このやり取りの様子は、市原市のホームページで公開されています。ぜひご覧ください。



みなさんの声が、より良い市政につながると信じています。


給食費無償化を求める請願に反対した理由

2025-03-03 | 教育
先日、子育て世代の方から
「市議会リポート、いつも読んでます!バックナンバーも保管してますよ」
と嬉しいお声をいただきました。
少しでも市政を身近に感じていただけるように、これからも分かりやすい情報発信に努めます^^

さて、この前ブログでご紹介したばかりの市議会リポート最新号ですが、
今回は反響の大きかった給食費無償化を求める請願について、改めて取り上げたいと思います。

この請願は、賛成多数で採択されました。
しかし、私たち「いちはら奏会」は、反対という立場を取りました。
なぜ?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

理由の一つは、 財源の問題です。
給食費を完全無償化するには、市原市の場合、年間約10億円の財源が必要です。
これは、教員約150人分の人件費、あるいは市内全ての市道の維持補修費、
その他、小学校体育館の耐震化工事約17校分などに相当します。



実際に完全無償化を実施した他市では、新規事業の凍結や予算削減が行われたそうです。
市原市も同様の事態になる可能性があり、子育て支援や教育費が削られてしまっては、本末転倒です。

また、市原市では既に、
経済的に困難な世帯や多子世帯への給食費無償化や、食材費高騰分の補助を行っています。
今回の請願は「保護者の経済的負担の軽減」が目的でしたが、
一律無償化に多額の税金を投入することが
本当にその目的を果たすために適した手段なのか疑問が残ります。

市民の皆様から要望があった際、議会は安易に受け入れるのではなく、
全体の優先順位や財源を考慮し、選択する責任があります。
今回の請願は、議会内でも賛否が分かれる難しい審査となりました。
これからも市民の皆様の声を真摯に受け止め、より良い市原市の未来のために議論を重ねていきます。

いちはら奏会 市議会リポート」では、これらの情報を詳しく解説しています。
ぜひご覧いただき、ご意見をお聞かせください。

今日の市議会から 森山さん登壇

2025-02-26 | 教育
今日の市議会では、私たちの会派を代表して森山さんが質問に立ちました。

持ち時間1時間の中で特に彼女が力を込めたのは、不登校についての質問です。
森山さんは、これまでこの問題に熱心に取り組んできました。
その働きかけによって市と民間団体との連携が大きく進み、
来年度の予算案ではフリースクールの利用料補助や運営者への補助制度が設けられるなど、
支援策が大きく前進しました。
今回の質問も、森山さんが保護者や専門家の方々から何度もヒアリングを重ね、
その声を丁寧に汲み上げたものです。
彼女の熱い想いがひしひしと伝わってきました。

一方、教育委員会が今急いで進めようとしている
コミュニティスクール(学校と地域が連携して学校運営に取り組む制度)に関する質問では、
少し残念な気持ちになる場面も。

市内のある学区では、以前から学区外通学が多く、
今年はなんと新入学対象者の4分の3が学区外の小学校を選んだそうです。
そんな状況でコミュニティスクールを導入しても、
地域の子どもたちが地元の学校に通っていないため、
コミュニティそのものが成り立たないという声が、地域の方々から上がっています。
「地元で協力したい気持ちはあるけれど、これではどうしようもない」
という切実な訴えに、私も胸が痛みました。

しかし、教育委員会の答弁は言葉こそ丁寧でしたが、
「保護者の判断で学区外を選んだのだから、こちらに責任はない。地元でなんとか解決してほしい」
という考えが透けて見えました。

学区外就学の多さの問題は、私が7年前にも指摘していたことです。
地域の方々の声に、もっと真摯に耳を傾けてほしい。

写真は会派室にて、登壇直前の森山さん。気合い入れの準備体操?





いちはら奏会 市議会リポート 春号、できました

2025-02-25 | 市民活動
「いちはら奏会 市議会リポート」の最新号(2025年春号)が完成しました。



読んで下さった方々からは、
「今回の記事は特に分かりやすいね!」
「よい情報を出してくれてありがとう」
など、早くも嬉しいメッセージが届いています。
これまでお話したことのなかった方々からもご連絡をいただき、本当に有り難い限りです。
ただ、できあがりを読み返してみると
「もっとこう書けば良かった・・・」などの反省点は多々あるのですが・・・。

今回の2面は「町会・自治会の疲弊を救うために」と題して、私が原稿を書きました。

近年、町会や自治会、地域活動団体の担い手不足など課題が深刻化していますよね。
私も、日頃から
「高齢化が進んで、役員を引き受ける人がいない」
「会計や広報といっても、よく分からない」
「担当の職員が2,3年で変わってしまう」
などの悩みをたくさん聞いてきました。

そこで、私は市議会で、
行政がもっと積極的に地域活動をサポートするための3つの提案をしました。
  • 「指定地域共同活動団体制度」の導入
  • 専門スキルを持つ人材バンク制度の構築
  • 職員が地域に入り込む「地域担当職員制度」の導入
3つ目の「地域担当職員制度」は、
各地域に配属された担当職員が、地域の課題解決をサポートするイメージです。
支所にその窓口があれば、ちょっとした相談から複雑な課題まで、
ワンストップで対応できる「まちづくりセンター」のような場所になるのではと考えています。
実はこれ、8年前から要望し続けているのですが実現に至っていません。
市民の皆さんからは
「それ、すごく良いアイデアだね!」 「ぜひ実現してほしい!」
そんなお声をたくさんいただいているのですが・・・。

その他の内容は、
いちはら市民ネットワークのHPにもアップされていますので、ぜひご覧になってみてくださいね。


学校と地域の未来を考えるシンポジウムへ

2025-02-24 | 教育
みなさん、3連休はいかがお過ごしでしたか?
私はというと、最終日の今日も午前中は議会の調べ物。
市に確認したいことがあって何度か電話をかけても繋がらず・・・
何回目かでやっと、今日は祝日ということに気づきました(笑)。

さて、午後からは辰巳公民館で開催されたシンポジウム
「公共施設の新たな形を学校から~学校と地域の融合~」に参加してきました。



実は、地元の辰巳台東小学校は、老朽化による建て替えの時期を迎えています。
でも、ただ新しくするだけじゃもったいない!
これからの時代や地域に求められる新しい学校施設に更新するチャンスと考え、
行政と地域の方々が話し合いを始めたところなんです。

今回のシンポジウムでは、神奈川大学の大竹弘和先生を講師にお招きして、
「コミュニティの拠点としての学校」についてお話を伺いました。
大竹先生のお話で、特に印象的だったのは、
  • 地域の公園ではボール遊びが禁止されているのに、すぐ近くの学校のグラウンドは週末になるとほとんど使われていない。
  • 児童館や学童保育は狭くて使いづらいのに、学校には広い体育館や図工室、音楽室がある。
  • 子どもたちは別々の場所で習い事をしているけれど、学校にはたくさんの教室がある。
「言われてみれば確かに!」「もったいない!」
と、ハッとさせられることばかりでした。



大竹先生は、これらの問題の原因は「行政の縦割り」にあると指摘されていました。
まずはこの壁を壊すことから始めなければいけませんね。

実は、偶然ですが先日、議会の図書室で大竹先生の著書を借りたばかりなんです。



タイトルに惹かれて手に取ったのですが、今回のシンポジウムに参加して、
ますます興味が湧いてきました。
近いうちにじっくり読んで、これからの学校と地域のあり方について、
さらに深く考えていきたいと思います。


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