種を蒔（ま）く

因果応報という言葉がある。
元々は仏教の言葉らしい。
原因と結果の関係が因果という訳だ。
結果が出るためには、必ずそこには原因があるらしいのだ。
良い行いをすれば、良い結果がやって来る。
悪い行いをすれば、悪い結果がやって来る。
自分に現れる結果のすべては、自分の行いによって生み出されるという訳だ。
だが、これでは余りに宗教的だ。
凡人には、こちらの方が分かりやすいかも。
ドイツの医師エルヴィン・フォン・ベルツの言葉だ。
明治時代に来日していろいろと教えてくれた方です。
草津温泉大好き人間でもあったらしいと聞くと、ちょっと親近感がわきますよね。

◆将来のための努力を惜しむなかれ
　「種を蒔き木を育てることをせず、実を取ることしか知らない者は、成功への道を歩むことはできない。」
　血眼（ちまなこ）で常に、幸いなことや良い結果だけを求めていてはいけないようです。
　いわゆる将来のための種蒔きとして、つらいこと苦しい事にも積極的に取り組んでおくことが必要なようです。
　そうすることで、いつか来る時代にゆっくりと刈り取りの時期を迎えられるという教えなのでしょうね。

　日本人だって負けてはいない。
　「吾輩は猫である」や「坊ちゃん」の、明治の文豪夏目漱石だ。
　「あなたが今蒔く種は、やがてあなたの未来となって現れる。」
　こちらは、もっと単刀直入ですね。
　最初は、努力から入りなさい、と言い切っているかのようです。

　仏教でも、ベルツでも漱石でもいいと思いますが、自分自身の腹落ちする受け止め方で、
　余裕をもって将来のための種蒔き的な行動をしていきたいものですよね。