誰だって順風満帆な人生だけではないはずだ。
程度の差はあるものの、皆苦労の一つや二つはある。
大抵の人は、そんな時を通り抜けて一定の成功を収めるものだろう。
周囲はそんな成功者に、ずいぶんと大変だったんじゃないですか、と聞くのがもう定番だ。
そんな風潮に、元大相撲のKONISHIKIさんは、こう答えていた。
◆日本人は苦労話を聞きたがるけどそんな話はしたくない
出身地のハワイの不良たちは半端じゃない、人を殺して刑務所に入る者までいたからね。
だがボクは、家の手伝いで忙しく不良になる暇もなかったのが幸いだった。
でも他校とのケンカがあると、みんなが僕を呼びに来る。
正義感はあったので、友達を助けに行って、ケンカのあとは握手して仲直りしたものだった。
18歳で相撲部屋にスカウトされ、聖書と友人からの手紙だけをもって来日したんです。
いまではよく、言葉もわからずに異文化の厳しい世界で大変だったんじゃないですか?と聞かれる。
ボクは、苦労したことはない、と答えます。
相撲界は、365日24時間若い男たちの集団生活で、衝突があるのは当たり前です。
でも、いまさらそんな話はしたくない。
日本を出て海外で活躍するイチローや大谷翔平選手が、大変なんですよ、なんて言わないでしょ。
昔の苦労話は、そっと包んで心の隅にしまっておけばいいんです。
→現役時代には憎らしいほど強かったが、根は明るい南国の方のようです。
我々も、ついしてしまう昔の苦労話、そんなものは一種の自慢話なのかもしれませんね、気を付けたいものです。