漠たる不安を誤魔化すためにaを求めて店に行った。
非番の午前中に青い空の下。習慣にしたがっている。
aだけだと恥ずかしいのでよーぐるとかっぷらーめんを買った。
老人が出口を塞ぐように立ち留まっている。
何かを考えているようだ。
すみません。
言葉がでない。
老人を押しのけて外へ出たところで、何があるというのだ。
aをくらう。それだけの未来しか描けない者に語ることはできない。
老人の背中が壁に見えてきた。
何者だ。
やさしさではない。
うぬぼれだ。
傲慢な生活がいつしか言葉を奪っていった。
やがて意を決した老人は前へ歩き出した。
前進せよ。
めまいがした。
「通してください」
若者が声をかけながら押しのけて出ていった。