そうすけは内側に漠然とした塊をかかえている。それは重く深く沈殿し自分を出して生きていくことができなかった。若いときは気力さえあれば乗り越えていけると思っていた。だが今はそうではない。身体の不調が気を奪いにかかっている。そうすけは疲れていた。
真澄の空に誘われて外へ出る。つめたい風が強く吹いていた。
空から唄が下りてくる。
悩み多き者よ 時代は変わっている
全てのことが あらゆるものが
悲しみの朝に 苦しみの夜に
絶えず時はめぐり繰り返されていく
ああ人生は一片の木の葉のように
ああ風が吹けばなにもかもが終わりなのさ
流れゆく時に遅れてはいけない
移りゆく時に遅れてはいけない
車を洗い、庭の土をいじる。
図書館に向かう時には陽が傾いていた。
枯葉の吹き溜まりを蹴散らしてゆく子供。
図書館は静かだった。人は数えるほどしかいない。
何を思い、ページをめくっているのだろう。
缶チューハイを呑んだら、眠くなってしまった。
ああ・・・あああ・・・ああああああああ!