1955年(昭和30年)の歌で、松島詩子(うたこ)が歌ってヒットした。喫茶店はいつの時代でも“憩い”の場所だ。誰にでも思い出の数々があるだろう。私にも無数にある。
一つだけ言わせてもらうと、学生時代に憧れの女子大生とぜひ喫茶店に行きたいと願っていたが、ついにその夢は果たされなかった。理由は簡単、自分が奥手で不器用、意気地なしだったからだ。そんな情けない話は別として、永遠にあり続けてほしい“喫茶店”の歌を載せておこう。
作詞・矢野亮、作曲・中野忠晴
1 アカシヤ並木の黄昏は
淡い灯がつく喫茶店
いつもあなたと逢った日の
小さな赤い椅子二つ
モカの香りがにじんでた
2 ふたり黙って向きあって
聞いたショパンのノクターン
もれるピアノの音(ね)につれて
つんでは崩しまたつんだ
夢はいずこに消えたやら
3 遠いあの日が忘られず
ひとり来てみた喫茶店
散った窓辺の紅バラが
はるかにすぎた想い出を
胸にしみじみ呼ぶ今宵
松島詩子 喫茶店の片隅で LP盤より