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香りを漂わせるマシン new
行動変えるか 連載 4
目と鼻を刺激 効果あり
「ほんとかよ。香りを噴射
するだけで、効果があると
は思えないね」と感じられ
たかもしれないが、Webメ
ディアの「販促マップ」が
都内のスーパーマーケット
の特設カレーコーナーに、
カレーの香りを出す機材(
別のモノ)を設置して、ど
のくらいの人が購入したの
かを調査した。どのような
プロモーションをすれば、
消費者はカレーを手にする
のか。(1)販促ツールな
し(2)デジタルサイネー
ジを設置(3)デジタルサ
イネージとPOPを設置(4)
デジタルサイネージと香り
を噴射。この4つのパター
ンで検証したところ、最も
多くの人が購入したのは「
デジタルサイネージ+香り
」だった。つまり、「買っ
てみようかな」と感じさせ
るには、目と鼻を刺激する
ことが効果的であることが
分かってきたのだ。
(次回に続く)
香りを漂わせるマシン
行動変えるか 連載 3
原理は簡単
アンビセントの仕組みはシ
ンプルである。機材の中に
人感センサーを搭載してい
て、近くを人が通ると、噴
射孔から香りがでてくると
いうもの。香りはピンポイ
ントに届くので、ちょっと
離れた人が「パンケーキの
香りがするなあ」と感じる
ことはなく、また微細なミ
ストなので、衣服などに香
りが付くリスクも低いそう
だ。で、この装置を使って、
どんなことに役立てようと
しているのか。同社で社長
を務めている郡香苗(こお
り・かなえ)さんに聞いた
ところ「嗅覚を刺激するこ
とによって、集客力を高め
たり、商品を印象づけたり、
演出効果として期待してい
ます」とのこと。
次回に続く)
香りを漂わせるマシン
行動変えるか 連載 2
人工的香りを流す
焼き肉店の場合、実際に肉
を焼いて、その香りが店外
に漂っているわけだが、人
工的に香りをつくりだして、
集客効果を高めようという
動きがある。「Scenery Sc
ent(シーナリーセント)」
という会社が手がけていて、
その装置の名は「Ambisce
nt(アンビセント)」。小
さな瓶の中に香りが詰めら
れていて、それを機械にセ
ット。冒頭で紹介したよう
に「プシュー」という音が
するたびに、香りが漂うの
だ。
(次回に続く)
香りを漂わせるマシン
行動変えるか 新連載 1
「プシュー」という音がす
るたびに、パンケーキの甘
い香りが漂ってくる――。
焼き肉やウナギの店などで、
人がたくさんいる方向に向
けて換気扇を設置している
ところがある。食欲をそそ
る香りが漂ってくるので、
「あー、焼き肉を食べたい
なあ」と思って、フラフラ
と店に入ってしまった人も
いるはずである。
土肥義則 ITmedia
今回新連載です)
90秒ラーメン米国の new
自販機の未来 最終回 17
移動式の自販機
もう1つは「移動式の自販
機」だ。22年3月、米国の
シアトルでコンセプトカー
を披露しているが、こちら
もまだ完成はしていない。
スマホのアプリで注文すれ
ば、無人の自販機がやって
来て、アツアツのラーメン
などを食べることができる
といった流れだ。日本の公
道で無人の移動自販機を動
かすのは「NG」なので、
もし完成しても「キッチン
カー」のような形になるだ
ろう。
現時点で、ヨーカイが稼働
しているのは、米国、日本、
台湾のみ。ただ、多くの国
や地域から引き合いがある
ようで、欧州では英国とオ
ランダで、アジアでは韓国
で、まもなくスタートする
そうだ。
(今回最終回です)
90秒ラーメン米国の
自販機の未来 連載 16
ユニークな2つの取り組み
現時点で、2 ~ 3 年以内に
数百台を設置できるかどう
かは分からないが、ユニー
クな取り組みを 2つ考えて
いる。1 つは「コンパクト
な自販機 」である。現在、
試作機をつくっていて、
イメージ図を見せてもらっ
たところ、単身用の冷蔵庫
といった感じである。ちょ
っとしたスペースがあれば
設置できるので、完成すれ
ば広まるかもしれない。
(次回最終回です)
90秒ラーメン米国の
自販機の未来 連載 15
一風堂等とコラボ商品開発
9 月、力の源カンパニーが
運営する「一風堂」とのコ
ラボ商品を開発した。看板
商品の「一風堂博多とんこ
つラーメン」と、完全植物
性のビーガンラーメン「IP
PUDO プラントベース(豚
骨風)ラーメン」(いずれ
も980円)を提供している。
また、テーブルマークの主
力商品「冷凍うどん」を活
用した商品開発も進めてい
る。自社のオリジナル商品
だけにとらわれず、「今後
も他社と手を組んで、どん
どん新しい商品を開発して
いきたい」(土屋さん)と
いう。
(次回に続く)
90秒ラーメン米国の
自販機の未来 連載 14
厳しいコロナ禍の出発
試食した人からは「意外に
おいしい」という声が多か
ったわけだが、それはリッ
プサービスだったのかもし
れない。否。新型コロナの
感染拡大を受けて、自販機
を設置している空港の第 2
ターミナルでは夜間の出入
りが禁止されたり、パーキ
ングエリアではルーレット
族の取り締まりがあって、
深夜帯に閉鎖されたり。想
定していた時間帯に稼働で
きなかったこともあって、
厳しい船出となってしまっ
たが、ヨーカイは黙って指
をくわえていたわけではな
い。次に、どんな手を打っ
たのだろうか。
(次回に続く)
90秒ラーメン米国の
自販機の未来 連載 13
1日100食予定が30食
目標台数は大幅に修正して
いて、日本事業を担当して
いる土屋圭司さんによると
「年内に 30台、2 ~3 年以
内に数百台の設置を見込ん
でいる」という。機械の不
具合が見つかったのに、強
引に台数を増やせば、オペ
レーションが回らなくなる
恐れがある。そうなってし
まえば、大変な事態になる
ことが考えられるので、台
数を抑えたことは賢明であ
る。では、売り上げはどう
だったのだろうか。「 1 日
に1台当たり100食の販売を
目指す」という話だったが、
羽田空港と首都高芝浦PAで
の売り上げは、30食ほどに
とどまった。その背景に、
なにがあったのだろうか。
(次回に続く)
90秒ラーメン米国の
自販機の未来 連載 12
半導体不足・機械の不具合
半導体が足りない中でも、
なんとかできた貴重な自販
機を米国に送って、日本は
後回しの状態に。というこ
ともあって、遅れに遅れて
いるのだ。もう1つの理由
は、自販機の不具合である。
高速道路のパーキングエリ
アや空港に設置したものの、
冷凍状態のままででてきた
り、お金は支払ったのにラ
ーメンがでてこなかったり。
こうしたトラブルを改善す
るために時間がかかってし
まって、目標台数と設置台
数に大きな乖離(かいり)
が生まれたのだ。
(次回に続く)
90秒ラーメン米国の
自販機の未来 連載 11
設置普及しない2つの理由
「ちょ、ちょ、ちょっと、
差がありすぎるね。大丈夫
なの?」と思われたかもし
れないが、設置台数が伸び
なかった理由は2つある。
食べた人からは「意外とお
いしい」という声が多く、
「ウチの空きスペースにも
置いてよ」といった引き合
いはあるものの、世の中は
「半導体不足」である。ヨ
ーカイもこの影響を受けて
いて、想定通りの台数をつ
くれなかったのだ。先ほど
米国と違って、日本ではコ
ンパクトな自販機を設置し
ているといった話をしたが、
このタイプを米国でも展開
することに。
(次回に続く)
90秒ラーメン米国の
自販機の未来 連載 10
現在日本に3台の設置
米国の自販機は88食分をス
トックできるが、日本では
スペースのことを考えて、
機械のサイズをやや小さく
し、最大50食に抑えている。
「1 日に1台当たり 100食の
販売を目指している」(同
社)ので、詰め替え作業は
2回行うことを想定してい
る。さて、設置台数の話に
戻そう。「22年は500台の
設置を予定している」とい
う話だったが、9月末時点
で何台稼働しているのだろ
うか。残念ながら、わずか
「3台」である。
(次回に続く)
90秒ラーメン米国の
自販機の未来 連載 9
人手不足が後押しする
また、人手不足も自販機の
普及を後押ししているとの
こと。会社や学校などのカ
フェで働く人が不足してい
るので、店を開けることが
できない、または営業時間
を短くする、といった状況
が生まれている。その代わ
りに自販機を設置するとい
ったケースがでているよう
だ。
(次回に続く)
90秒ラーメン米国の
自販機の未来 連載 8
物価の上昇も影響
このほかに、物価の上昇も
影響を受けている。米国で
ベーグルとコーヒーのセッ
トを注文すると、2000円を
超えるところも珍しくなく、
レストランに行けばチップ
を支払わなければいけない
ので、3000円、4000円は
当たり前といった感じであ
る。一方のヨーカイは12~
13ドルなので、2000円を
切る。「給料日前なのでち
ょっとキツイ。今日のラン
チは自販機で」という人が
じわじわ増えているようだ。
(次回に続く)
90秒ラーメン米国の
自販機の未来 連載 7
ランチに便利
自販機の中はどうなってい
るのかというと、ラーメン
の場合、スチーム調理など
を行うことで、わずか90秒
ほどで出てくる。設置場所
は会社、学校、空港、工場、
病院など。米国の場合、「
ランチを食べるために、ち
ょっとそこまで」といって
も、移動に時間がかかるこ
とが多い。そうした人たち
にとって自販機は便利のよ
うで「今日はちょっと時間
がないので、ランチはヨー
カイで」といったケースが
増えているようだ。
(次回に続く)
90秒ラーメン米国の
自販機の未来 連載 6
米国で54か所設置
設置台数を紹介する前に、
話をちょっと変える。ラー
メン自販機を運営している
ヨーカイ社は16年、米国の
シリコンバレーで産声をあ
げた。米国では54カ所で設
置していて、これまでに20
万食以上提供している。日
本では自社のオリジナルラ
ーメン4種(いずれも790円)
を中心に展開しているが、
米国ではラーメン以外にも
丼もの、パスタ、カレー、
デザートなど50種以上のフ
ードを販売しているのだ。
(次回に続く)
90秒ラーメン米国の
自販機の未来 連載 5
設置台数目標は可能?
創業者が掲げた「5000~60
00台」がどのくらいの規模
なのかよく分からないので、
国内で自販機を展開してい
るヤクルト本社の台数を見
てみよう。19 年 3月末時点
で、7万600台である。街中
を歩いていて、ヤクルトの
自販機を目にすることはそ
れほど多くはないが、それ
でも7万台を超えている。
ということはヨーカイの5
000~6000台も難しくない
のでは? と感じるが、
現状はどうなっているの
だろうか。
(次回に続く)
90秒ラーメン米国の
自販機の未来 連載 4
22年に500台設置予定
日本で本格的に動き始めた
理由は、3つある。(1)米
国と違って、日本は自販機
が普及していること(2)
ラーメンが好きな人が多い
こと(3)食べた人の評価が
高いこと、である。22年3月、
羽田空港第2ターミナルに 1
号機を、首都高の芝浦パー
キングエリアに2号機を、そ
れぞれ設置することに。当時、
同社の創業者兼CEOのアンデ
ィー・リン氏はこのように語
っていた。「22年は500台の
設置を予定している。今後数
年で5000~6000台の展開を目
指す」と。
(次回に続く)
90秒ラーメン米国の
自販機の未来 連載 3
ヨーカイの最大の特徴は、
できたてのラーメンを提供
していること。2021年11月、
東京・渋谷の体験型店舗「
b8ta Tokyo - Shibuya」に進
出して、自販機を展示。一
般の人には提供していなか
ったが、商談の席で“アツア
ツのラーメン”を食べてもら
ったところ、どんな感想が
漏れてきたのか。「自販機
からでてくるラーメンでし
ょ。コンビニのモノよりも
おいしくないはず」などと
思い込んでいた人が多かっ
たようで。スープをすすっ
たところ、「意外においし
い」という声が目立った。
(次回に続く)
90秒ラーメン米国の
自販機の未来 連載 2
うどん自販機が消滅の中で
うどん自販機は容器の中に
お湯を入れて食べるといっ
たものではなく、調理され
た状態でうどんが出てくる。
どのような仕組みになって
いるのかというと、自販機
の中で茹でたうどんと具材
がセットされた状態で冷蔵
されている。お客が購入す
ると、そのひとつにお湯が
注がれて、取り出し口から
出てくるといった流れだ。
かつて高速道路のパーキン
グエリアなどでよく見かけ
たものの、最近はめっきり
減ってしまった。故障した
部品を交換することができ
ず、また1台……また1台……
といった形で姿を消してい
る。やがて“絶滅”するとも
言われている「うどん自販
機」に、新たな動きがある
ことをご存じだろうか。米
国で生まれたラーメン自販
機「Yo-Kai Express(ヨーカ
イエクスプレス)」(以下、
ヨーカイ、社名同じ)だ。
(次回に続く)
90秒ラーメン米国の
自販機の未来 新連載 1
大きな文字で「そば、うど
ん」と書かれている自販機
を見たことがあるだろうか。
昭和レトロ感が漂う「うど
ん自販機」を見ると、50代
以上の人からは「子どもの
ころによく食べたなあ。懐
かしいねえ」という声があ
れば、20代の人からは「な
にコレ? 機械の正面に割
りばしがセットされていて、
逆に新鮮」と感じられるか
もしれない。
土肥義則 ITmedia
(今回新連載です)
名古屋のういろ 安い new
お土産の脱却 最終回 16
和菓子屋としての原点回帰
「一菓子屋ですけど、名古
屋の食文化を担っている自
覚はあります。それはきち
んとした形で、責任持って
つないでいきたい」と村山
社長は真剣なまなざしで語
る。そして、名古屋に来て
くれた人たちが「ここには
大須ういろの商品がある」
といわれるような存在を目
指す。他方、名古屋の人た
ちには、この地域に住んで
いることを誇りに思える菓
子を生み出していきたいと
いう。和菓子屋としての原
点回帰。それが今の大須う
いろに必要なことなのかも
しれない。
(今回最終回です)
名古屋のういろ 安い
お土産の脱却 連載 15
食文化として残す
「受け継いでいるものはゼ
ロではないですが、絶対に
こうしなきゃいけないとい
うものは、正直うちの会社
にはありません。七十数年
の歴史を振り返ってどうだ
といっても、昔話にしかな
りません。守るべきもの、
攻めるべきものを自分たち
なりに考えて、将来に向け
て一生懸命やるだけです」
(村山社長)
ただ一方で、ういろという
名古屋の食文化は残してい
かねばという思いは強い。
(次回最終回です)
名古屋のういろ 安い
お土産の脱却 連載 14
老舗の伝統 じゃまするか
英里さんも続く。
「おいしいという一言が最
初に出てくるような商品に
しなければいけません。ウ
イロバーも当初は、かわい
い、面白い、変わったねと
いった声をいただきました。
でも、おいしいねと言われ
ないと次につながらないで
すよ。かわいいと思って買
っても、食べておいしくな
ければ、お客さんは2度と
買わないし、人にも勧めま
せん」おいしさに磨きをか
けるのが最重要課題だ。そ
のためには、時として伝統
を変えることになるかもし
れない。老舗の歴史が邪魔
をしないのか。
(次回に続く)
名古屋のういろ 安い
お土産の脱却 連載 13
おいしくなければ意味がない
ういろの価値向上によって、
地元の人たちも再び目を向け
てくれると信じている。その
ために不可欠なのは、何より
も「また食べたい」と思って
もらうことだ村山社長は、「
もっとおいしくすることに尽
きます。食べ物なので、おい
しくなければ意味がない。食
べた時に笑っていただける、
楽しんでいただけるお菓子を
作らないと」と強調する。
(次回に続く)
名古屋のういろ 安い
お土産の脱却 連載 12
棹ういろ1000円で
「ウイロバーは500 円で発
売しました。すごく手間が
かかっている商品なのにそ
の価格が適正なのかと思い
ましたが、量が少ないとか、
そんな値段で売れるわけな
いと言われたこともありま
す。今は756円になりまし
たが、それでも売れ続けて
います」隣に並んでいる商
品と比べるのではなく、誰
に何と言われようが、真面
目に作っている和菓子だと
自信を持てることが大切だ
とする。「棹ういろを 1 本
1000 円で売れるように、
きちんとブランディングし
ていこうねと、ことあるた
びに皆で話しています」と
英里さんは力を込める。
(次回に続く)
名古屋のういろ 安い
お土産の脱却 連載 11
手本は虎屋のようかん
英里さんが手本にするのは
虎屋のようかんだ。「よう
かんも昔はそんなに高く売
っていなかったと思います
が、時代とともにきちんと
デザインなどを考えられて、
商品ブランドを作っていっ
たはず。それが価格にも反
映しています。大須ういろ
は長い間それができていま
せんでした」もちろん、う
いろは素朴な菓子で、高級
感のある細工菓子などとは
違う。やたらと高くすれば
いいというわけではない。
でも、今の適正価格にも合
っていなくて、安くたたき
売りをしている状態ではな
いかと英里さんは嘆く。
(次回に続く)
名古屋のういろ 安い
お土産の脱却 連載 10
価値を上げ相当の価格に
また、量や見た目を重視す
るという名古屋の文化の影
響もあり、以前は 7本セッ
トの棹ういろを販売してい
た。それでいて価格は 300
0 円程度だった。価格設定
については、社員とも話し
合うようになった。「うい
ろは一つ一つ手作りで、さ
らに蒸すための光熱費もバ
カになりません。にもかか
わらず、こんなに安く売っ
ていいのかと討論したこと
もあります。工場で働く社
員たちにもきちんと還元し
てあげたい。そのためには
ういろ自体の価値を高めて、
価格を上げていかねば」
(次回に続く)
名古屋のういろ 安い
お土産の脱却 連載 9
価格競争をしない
価値を高めるためには、そ
れに見合った価格に変えて
いかねばならない。それを、
ういろはできていないので
はないかと英里さんは指摘
する。「私がこの会社に入
ったとき、棹ういろは 1本
350円でした(現在は 486
円)。名古屋の他のお菓子
屋さんと無意識のうちに価
格競争をしてしまっている
のです。ちなみに、虎屋さ
んのようかんだと、同じ分
量で1500円くらいします」
(次回に続く)
名古屋のういろ 安い
お土産の脱却 連載 8
伝統の非効率製法を守る
「当社で使っていた米粉の
方が大須ういろの味を守る
ことができるのです。非効
率で無駄だと思っていた作
業でしたが、これは変えて
は駄目だと思いました」真
摯にういろ作りに向き合っ
ている姿勢に心を動かされ
た英里さんは、もっとこの
価値を多くの人に広めたい
と使命感に駆られた。
(次回に続く)
名古屋のういろ 安い
お土産の脱却 連載 7
職人たちのこだわり
そこまでして英里さんがう
いろの魅力を伝えたいと思
ったのには理由がある。企
業である以上、ビジネス拡
大のためというのはもちろ
んだが、ういろの品質に対
する職人たちのこだわりに
胸を打たれたからだ。「社
長が『うちはお米の味を大
切にしている』と常々口に
していたので、どんなもの
かなと思いながら工場へ行
きました。ういろの原料は
米粉。どうしても米の成分
である黒い粒(ヤケ)が入
っているものもあります。
クレームにつながることも
あるため、職人たちはいち
いち全部手で取っているの
です」時間はかかるし、当
然その分のロスも出る。そ
こであるとき、真っ白な米
粉を取り寄せて、ういろを
作ってみたところ、まるで
味が違った。
(次回に続く)
プロフィール
バックナンバ
バックナンバー2