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売れ筋105円老舗問屋 new
から古着屋に 連載 Ⅰ
本店一日購買人数230人
11月上旬の日曜日の午後に
西葛西本店に行ってみた。
すると、屋外のワゴンに並
んでいるのは105円均一の
服ばかり。数人の女性客が、
ハンガーにかけられて並べ
られた服を素早くかき分け
て品定めをしていた。店の
中に入ると、入り口近辺に
は子供服や雑貨が並び、奥
には婦人服や紳士服がカテ
ゴリーごとに並べられてい
る。レジ近くには3000円の
ブランドネクタイなど”高額
品”がガラスケースに収めら
れている。レジ内では、店
員が大きな布袋から衣類を
出して仕分け作業。雑然と
した中に静かな熱気がみな
ぎる。この西葛西本店では
11月中旬時点で1日平均230
人ほどがレジを通っている
という。
(次回に続く)
売れ筋105円老舗問屋
から古着屋に 新連載 Ⅰ
「ワンコインでトータルコ
ーディネート」――。ホー
ムページにこんな夢のよう
なキャッチフレーズを掲げ、
値札のほとんどを105円、2
00円、315円で固めている
激安リユース店がある。羽
久(はねきゅう)とその子
会社であるヴァンベールが
チェーン展開する「たんぽ
ぽハウス」だ。現在の店舗
数は東京都に12店、千葉県
内に3店で、合わせて15店。
このうち1号店にあたるの
が東京メトロ東西線・西葛
西駅南口を降りて徒歩1分
のところにある西葛西店
(ファッションリサイクル
ヴァンベール)だ。
山田俊治 東経記者
(今回新連載です)
資生堂 安売り連発 new
危うい危機 最終回 9
資生堂戦略両刃の剣
化粧品は利益率が高い商材
である反面、人件費やマー
ケティング費用などがかか
る。損益分岐点を超えれば
飛躍的に利益率を高めるこ
とができる。そのために求
められるのは、売り上げの
拡大だ。2割程度の値引き
ならスキンケア商品は、利
益を上げることも可能だろ
う。だが、値引きに頼りす
ぎれば、これまで築き上げ
てきたブランド価値の毀損
を招きかねない。資生堂の
戦略は両刃の剣そのものだ。
(今回最終回です)
資生堂 安売り連発
危うい危機 連載 8
焦り
同業他社が、「将来はない
」とまで言い切る値引き販
売を資生堂が敢行するのは
なぜか。背景にあるのは「
焦り」だろう。資生堂は20
21年2月に2023年12月期ま
での中期経営計画を掲げ、
営業利益率15%を目指すと
していた。だが、2022年2
月9日に資生堂が示した20
22年12月期計画では、営業
利益率は5%強にとどまる
見込みだ。
(次回最終回です)
資生堂 安売り連発
危うい危機 連載 7
値引き合戦では勝てない
だが、楽天市場やドラッグ
ストアなどによるポイント
還元が盛んになったことを
受け、値引き合戦で薄利多
売の戦いでは競合に勝てな
いと判断。値引きキャンペ
ーンなどに投じていた資金
を、顧客獲得のためのマー
ケティング費用や自社アプ
リの機能強化に使うように
なった。値引きをやめれば、
既存顧客は離れかねない。
事実、オルビスの売上高は
2017年以降、徐々に下がり
始めている。ただ、「改革
の効果でスキンケア商品を
中心に購入単価とリピート
率が向上している。コロナ
禍の中でもオルビスが支持
されている」と元木氏はい
う。
(次回に続く)
資生堂 安売り連発
危うい危機 連載 6
値引き販売に将来はない
「値引き販売に将来はない
」。そう言い切るのは、化
粧品会社のオルビスで国内
事業を統括する元木正城執
行役員だ。オルビスは化粧
品メーカー国内4位のポー
ラ・オルビスホールディン
グス傘下にある。同社がブ
ランド改革に着手する2018
年以前は、自社ECサイトで
の購入金額に応じて商品券
やポイントでの還元を積極
的に行い、実質的な値引き
販売を展開していた。「ポ
イント還元などで顧客とブ
ランドがつながるというス
トーリーを抱いていた」と、
元木氏は振り返る。
(次回に続く)
資生堂 安売り連発
危うい危機 連載 5
愛用者基盤の充実に逆行
資生堂が年に2〜4回開催す
る「スペシャルサンクスウ
ィーク」期間中は、化粧品
販売店などでポイント還元
がされてていたが、還元率
はイオンより5ポイント少
ない10%にとどまる。美容
が好きで自己投資を惜しま
ない人たちが主な顧客層だ
からだ。そのような顧客は
美容効果やブランド価値に
共感し、値引き販売をせず
とも商品を買ってくれる。
値段の決定権は小売側にあ
る。とはいえ、ディスカウ
ント色の強いイオンでEC販
売を決めた資生堂の戦略は
高級化粧品においては、「
愛用者基盤の充実」には逆
効果となりうる。
(次回に続く)