鳥まり、参る!

ご覧いただきありがとうございます。
日々のいろいろなことを記録しています。

為政者の力量が生死を決める。

2023年10月05日 | シリアス
【命…】

高校時代に(たしか)塾の先生から教わった、雷が落ちるように恐ろしくて色々わからされた(学ぶ、よりこの言葉がしっくりくる)話がある。

日本史の時間でした。

…。

(実際は固有名詞や詳細描写がたくさん出てきましたが、ここではしません)

江戸時代、飢饉で米が不足し一冬で大量の餓死者を出した史実がある。

特に寒冷な地域の被害はすさまじいものであったと。

ある藩ではあまりに食べ物がないので、生まれたての赤子やまだ体が柔らかい幼子を…人間の子どもを食べたことすら記録に残っているそうだ。

ある年の冬、とある藩で大量の餓死者が出た。

でも、その隣の藩は一人も餓死者は出なかったそうだ。

「すぐ隣の、同じに雪深い土地で、同じように飢饉があったのに、どうしてだと思う?」

皆黙っていた。

考察できる子もいたかもしれないけど、私は何も想像できないくらい全然わからなかった。

「優秀なお殿様とその家来たちが協力して準備をし、民を生かすために働いたからです。

 みなさん、これが政治なんです。

 政治は民を餓死させることも生かすこともできる。

 民とは私やあなた達です。

 政治は我々の生活であり、生活が命を生かす。

 生活が切れたら死ぬのが人間なんですよ」


ぁガーン!!!

であった。

日本史苦手で人名も年号も全然暗記できなかったけれど、これは今でも記憶してるほど強烈な思い出です。

この土地のことはそのイメージが強くなった。

【何百年も前のことが影響している現実】

江戸時代って実は現代と近い過去。

大先輩世代に聞けば、江戸時代生まれの人たちが確かに生きていたことを証言してくれます。

嘘でしょ?って思うけどおじいちゃん(おばあちゃん)のおじいちゃん(おばあちゃん)と考えると近いんだなー。

私の周りですら先祖がもろに歴史上の人物と関係がある人たくさんいるもの。

世間は狭いというか、歴史は身近というか。

さて、雷話に出てきたとある土地の話も現在にばっちり続いているらしい。

上に書いた、餓死者がたくさん出てしまった歴史を持つ土地出身の方がいて、話をしてくださったんだけど…。

その内容はまさに歴史の継続性っていうのかな、続いて影響してることがわかる。

この方は上に書いた餓死者がたくさん出てしまった土地から違う土地(同じ都道府県だけど、昔は藩が違う)で就職された方。

「地元は大好きで誇りに思ってるけど。

 この街に入ってきたら何もかもが豊かで本当に驚いた。

 私達が年に数回の晴れの日にしか食べられないようなものがあちこちで安く売ってるんです。
 
 みんな余裕があって笑ってて、幸せそうで。

 あと温かいんですよ、外気温は大差ないのに室内が温かい。

 私の家が貧乏だったのかと思ったけど同郷からここに出てきた人は同じだと言います。

 その話したらね、頭の良い人がそりゃ○○藩と××藩だものって。

 ○○藩は昔から愚かなお殿様がいっつも貧乏クジひいて国を疲弊させて民を苦しめていたから、それがまだ続いてるんだろうって言うんです。

 ××藩は有名なあの武将の治めた国で、あの時代から貿易したり良い政治をしてるから豊かなんだよって。

 最初は地元馬鹿にすんなってむかついたけど。

 歴史学んでみたら、そうかもなあ…って。

 悲しいけど」

辛い話。

この方の出身地だって近いんだから当然だけど自然も食べ物も豊かなんですよね。

でも民が得るものは…。

肥沃な大地を持つかの国が、食料生産大国でありながら貧しいことを思い出すわ。

為政者のできること。

大きすぎるわ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする