今日の商店会長 (早稲田商店会相談役 安井潤一郎)

日本でただ一人、商店会の会長現職で衆議院議員になった、早稲田商店会前会長日記。公式ホームページは左下ブックマークから。

商店街は変革を拒否している?

2009-05-14 12:34:33 | 商店会長のコメント
十年一日、地域の八百屋、肉屋、魚屋をはじめ、商店街の零細小売商店は商売を替えない、まるで変革を拒否しているかのようだ、と言われました。果たして、そうでしょうか、私は違うと思います。

まち場の小さな店でも親父とせがれは商売のやり方で意見が食い違い、葛藤が繰り広げられてきました。親父は「経験もないくせに」と文句を言い、せがれは「時代感覚が希薄だ」と親父の手法を否定します。

長い時間をかけて、せがれは親父の説得に成功して借金しながら店の改革に汗を流し、同じような経験をしている同世代が地域商業者グループの核になっていったのです。現場から弾き飛ばされた親父さん達はせがれたちの活動を認めはしないものの、旦那衆として若手店主達の動きを応援していました。

無秩序に大手量販店が資本の論理だけで出店競争に明け暮れ、その競争の余波をまともに受けた零細小売業者が1店舗でせがれ夫婦と親父夫婦の2世帯が生活出来ない商業環境の中で外で、仕事の出来るせがれ夫婦が店を出て、親父さんが商売を切り盛りしていました。

その親父さんが60になり、70になり、80になっているのが現状です。まち場の零細小売店舗から変革というリニューアルの場を取り上げ、地域での雇用の場を消したのは「消費者の利益」「会社は株主のもの」という言葉をバックにしたこの国の施策だと思っています。

確かに「消費者の利益」も「株主」も大切です。しかしそのような考え方で進んできた我が国で、雇用の場が減り、生活保護が増えたという現実を直視して、若干の軌道修正をする時が来たように思えます。
コメント
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