新宿SPACE107にて
昨日観てきました。
館形比呂一(カスパー)
中川賢(カスパー2)
たかお鷹(プロンプター)
僕はだれ?自分は何物?
突然人間界に落ちてきたカスパー
言葉を知らないから喋れない。
自分は何をやりたいのか、どう表現すればいいのか判らない。
ただやみくもに物を蹴飛ばし、怒鳴る。
意味のない言葉を…
人との関係を持てないが故の閉塞感が彼を支配する。
このあたりの状況はTOMMYの三重苦とも重なって映る。
プロンプターによる教育というか強制というか…
とにかく、彼は言葉を覚え、秩序を身に付け社会に出て行くけれど
彼の内なる精神はやはり閉じている。
深い
深い
精神性を感じました。
最初、プロンプターによる導き方というか教育とういか、が怖い。
教育という名の強制?あるいは拷問か
カスパーは虐げられているようだけど、そこからいろいろ覚えていく。
覚醒?してからは人が変わったかのような明るい表情のカスパー
舘形さんの役へののめりこみ方。
尋常ではありません!
ダンス、というか身体表現を得意とする彼が‘言葉’を使って表現する。
「ビリーとヘレン」を見たときも感じたけれど、彼は単なる身体表現を超えて、更にその上を目指しているような気がしてならない。
どこまで行くのか…
終りのない探究心を感じます。
それも、物凄い強い精神を。
身体表現役者、とでも言うべきか。
「ニ短調~白鳥の歌」でも感じた精神性というものを突き詰めていくとこういう舞台になるのかな、とも思って、舘形さんの目指すものが何となく理解できるような…気がしました。
ちょっと話はそれますが
この強い精神、ぜひ、晃教くんにも見て欲しい、感じて欲しいと思いました(爆)
カスパー2の中川賢くん
髪を金髪にしてオールバックの髪型
すごく、大人っぽく見えました。
カスパーが生まれ変わってからの彼の内面を表現します。
動きで。
しなやかで力強い。
そして、若さがある。
歌も歌ってた。
たかお鷹さん
見た目地味な方ですが、しなやかな方ですね。
声に力があるし、カスパーを矯正?していく時の迫力が凄いです。
舘形さんが築こうとしている
身体表現者としの‘役者’‘演技者’へのアプローチ
独特の世界があると思います。
言葉をある意味信用していない、というか。
ダンスの世界がどういうものか私には判らないけれど
彼は本当は‘身体’という‘言葉’を使って表現するのが一番合っているのだと思います。
しかし、カスパーという作品はそれに頼らず、‘言葉’を使って表現しきっている。
感動しました。
ダンスに頼ってはいないけれど、ここ!というところには‘動き’があります。
振付は伊藤キムさん。
カスパーが生まれ変わるときの中川賢くんとの二人の動きは強い内面性を感じる独特の動き。
それが美しい!
鍛え抜かれた肉体だけが表現できる、美しい動き!
それと
カスパーが言う意味不明の言葉
私には宮沢賢治の詩に出てくるような言葉に感じました。
もしかしたら東北地方の方言でしょうか
カスパーが出てくる扉の向こうにはいつも雪が降ってるし
生まれ変わったカスパーは真っ白な衣装
雪に閉ざされた世界?のような気も…
そういえば会場も地下の狭い空間
久々に異空間を感じました。
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