2002年10月8日 日生劇場
ミュージカル モーツァルト!
この日、私は初めて「中川晃教」に出会いました。
初日が10月5日、アッキーヴォルフ初日が10月7日、その翌日のマチネでした。
で、そのときの第一印象は…
「この子誰?」
この子、なんて失礼な言い方ですみません。
でも、まだまだ少年という感じでしたし…
19歳という若さで日本のミュージカルを驚愕させた才能のデビューでした。
出演者が発表になった時、正直言って「中川晃教」という名前はミュージカルファンには未知数、知名度はゼロといっても過言ではなかったと思います。
なので、「この子誰?」状態だった。
そして実際に見て、びっくり仰天したわけです。
知らなかった分、驚きは凄いものがありました。
ゴム鞠が弾むようなリズム感、台詞と歌とが一体化した表現力。
本人は無意識にしているのでしょうが、驚異的な技術を何事もないような感じでできてしまうことに、観ていて驚きを隠せませんでした。
休憩時間にCDの予約に走っていったことを覚えています。
私がこの作品を見ようと思ったのは、劇団四季退団後、市村正親さんと山口祐一郎さんが初めて共演する舞台だったことと、「エリザベート」が大好きだったので、クンツェ・リーバイコンビの「エリザベート」の次の作品だったからです。
なので、主人公ヴォルフガング役ははっきりいって井上ヴォルフ、中川ヴォルフどちらでもいいかな、という感じでした。
当時のチケット発売は発売日に劇場に行って抽選番号を引いてその順番に買う、という方式だったんですね。
私はあまりいい抽選番号ではなかったので、私が買える順番が来た時は井上ヴォルフのところはあまりいい席が残っていなくて、必然的にすべてアッキーの公演日を購入することになりました。
なので、アッキーの驚異的なデビューの舞台を堪能でることができたのは、本当に幸せなことだったと思います。
もちろん、ヨッシーの舞台も買い足しして見ましたよ。
やはりダブルキャストは両方見たくなりますよね。
大阪には行けなかったけれど、帝劇はばっちり、アッキー楽も大楽も見て、アッキーにどっぷりと心奪われ状態で年越しを迎えました。
アッキーは2002年度の演劇賞を総なめ状態、月間ミュージカル誌において2002年度男優ベスト10でなんと!1位になったんです!
舞台経験もない19歳の青年が初舞台で帝劇に立ち、この成果。
ホントに凄いことです。
例えれば、高校野球で甲子園出場がない選手がいきなりプロ野球にいって開幕初戦でノーヒットノーランしちゃう、みたいな感じでしょうか。
ありえない、と思えるようなことが現実に、という感じだったと思います。
それから今年でミュージカルデビュー15周年目。
いろいろあったけれど、何と言っても「ジャージー・ボーイズ」でM!でも受賞した読売演劇大賞を再度受賞したことは、ほんとに大きなことだったと思います。
M!初演の時は確かに歌の表現力が素晴らしかったことは違いないけれど、本人は意識していないところでの評価だったと思います。
でも、ジャージーボーイズは努力とみんなが一体となって頑張った結果だと思うので、アッキーの喜びもひとしおだったと思うんですね。
ミュージカル役者を目指していたわけではないアッキーが、今は舞台での評価が高まっているわけですが、自身の出発点である音楽活動とのバランスをとりつつ、表現者としてますます活躍していきますようにと祈るばかりです。
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