『そぞろ歩き韓国』から『四季折々』に 

東京近郊を散歩した折々の写真とたまに俳句。

読書感想76  秋瑾火焔の人

2013-06-04 19:31:23 | 日記・エッセイ・コラム

 

読書感想76  秋瑾火焔の人<o:p></o:p>

 

生年     1875118日       生誕地   福建省厦門<o:p></o:p>

 

死没年    1907715日       死没地 浙江省紹興<o:p></o:p>

 

所属     中国同盟会

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著者   山崎厚子<o:p></o:p>

 

生年   1936<o:p></o:p>

 

出身地  東京都<o:p></o:p>

 

出版年  2007<o:p></o:p>

 

出版社  (株)河出書房新社<o:p></o:p>

 

感想<o:p></o:p>

 

 近代中国の女性革命家、秋瑾を主人公にした小説である。アウトラインは史実に基づいて大幅に変更されてはいないと考えられる。それで人間関係の細かいやりとりや感情が著者の創作によるのであろう。<o:p></o:p>

 

 秋瑾は清末の時代に生をうけ、辛亥革命が成功する4年前に武装蜂起の失敗から処刑されている。秋家は代々浙江省紹興を本貫とする科挙を受験する名門であった。祖父が厦門の地方官吏に任命されたため、秋瑾は厦門で生まれた。子供時代から優秀で科挙を目指して学んでいた兄を追い越す神童ぶりだった。乗馬をし剣舞もよくした。そうした活発な秋瑾は纏足を強いられる女性の境遇に強い反発を感じた。結婚は湖南省の富豪の王家の息子としたが、王家が望んだのは頭の良い男の子を生んで育てることだった。太平天国の乱を平定した曾国藩の甥にあたる夫は、科挙に関心も能力もない人だった。曾国藩の一族の名誉は秋瑾の生んだ息子にゆだねられていた。当時の中国では、妻妾同居で女性は教育も受けられず、男の子を生む役割を期待される生活だった。売官によって官職に就いた夫とともに北京に行った秋瑾は、新しい交流関係の中に身を置くようになった。革命派や日本人とも知り合うようになった。そして1904年に単身日本留学を決行した。下田歌子の実践女学校に入学する一方で、武術や弾薬の作り方も習い、孫文の率いる中国同盟会のメンバーになった。清国留学生が革命運動の中心になっていることを危惧した日本政府の取締規定に反発した秋瑾は全員総引き揚げを主張し、1年半の留学生活を終えて1905年に帰国した。帰国後は上海で女学校を作ったり「中国女報」という雑誌を発行したりして女性の啓蒙活動を行った。そしてついに故郷の紹興で武装蜂起の準備に取り掛かった。清朝の新軍(西洋式陸軍)を作る名目で陸軍将校を教育する士官学校を設立した。秋瑾はその「大通師範学堂」の主任(校長)に就任した。しかし革命勢力の連携のまずさやスパイの暗躍で武装蜂起は未遂で終わり秋瑾も捕らえられ処刑された。<o:p></o:p>

 

辞世の句「秋風秋雨、人を愁殺す」<o:p></o:p>

 

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 留学に向かった時から目的が明確だった。その目的に集中して最後の日まで走った。以前の何もできなかった生活の鬱憤を一挙に晴らす勢いだ。新しい時代の風を受けて羽ばたいて高く飛んだ女性だ。たくさん新しい女性はいたのだろう。そうした女性の代表だし、革命運動の未熟さによって死の代償を払わされた時代の申し子でもある。こうした勇気と気概のある人が生きていたと知るだけで、気持ちがよくなる。

 

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四季折々65   宇津貫緑地3

2013-06-04 15:03:05 | まち歩き

宇津貫緑地は横浜線に隣接している。高台から電車の通過が見られる。

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右の端の方に線路がある。白い住宅街は線路の向こう側。

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JR横浜線。八王子みなみ野駅を出発して相原駅へ向かっている。

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大事に残された樹木。

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線路の向こう側の高台に企業の施設がある。「山櫻」と「セキスイ」。

その少し先に国道16号線の御殿峠。

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斜面に若い苗木が植えてある。

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翻訳   朴ワンソの「裸木」19

2013-06-04 14:35:23 | 翻訳

 

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翻訳   朴ワンソの「裸木」19<o:p></o:p>

 

63<o:p></o:p>

 

「良いお父さんだって? 父は亡くなりました」<o:p></o:p>

 

「そうだったんですか。本当に残念だね、キョンアはお父さんにとてもなついていたようだけど」<o:p></o:p>

 

「なついていただって? とんでもないです。私は父を憎んでいます」<o:p></o:p>

 

 私は今や完全にバランスを失ってしまった。頭の中が乱れて目眩がして、父にたいする深い愛情と恨みがごちゃごちゃになってしまった。私は泣かないように荒々しくなった。<o:p></o:p>

 

「なんだい、いきなり」<o:p></o:p>

 

「父は亡くなったということです。625のちょうど1か月前に、平和でのどかな日、息子や娘が臨終を見守る中、安らかに無責任に冷たく私達だけ残して、私だけ残して…」<o:p></o:p>

 

 私は怒鳴った。<o:p></o:p>

 

 彼は初め驚いたようだった。だんだん情け深く憐れんでいる表情がありありと見えた。<o:p></o:p>

 

 私はそれに力を得て嗚咽まで交えて、<o:p></o:p>

 

「それではやめます。どうしてそんな運が…私はそれからたくさん残酷なことを経験しました。その度ごとにそれでも一生懸命父の助けを祈りました。悪魔も感動するほど切実に祈ったんですよ。父は死んで神が…神まではわからなくても、とにかくスーパーマンになっただろうと信じたからです。それでも父は知らないふりをしていたんですよ。私達のために何もしてくれませんでした。どうしてそんなことが…私は父を憎んでくたびれて、全く考えないことにしたんですよ」<o:p></o:p>

 

 私はやむなくむせび泣いた。彼がますます私を不憫に思うことを望んだ。<o:p></o:p>

 

「泣かないで、涙をぬぐって、さあ」<o:p></o:p>

 

 彼の両腕が私の両肩をやさしくくるむのを感じると、私はさらに激しくむせび泣きながら、嗚咽の快感に体をゆだねた。<o:p></o:p>

 

 彼が差し出したハンカチに煙草の臭いと絵具の臭いがかすかに漂った。私はそれを貪ろうとするように、彼の胸に全身を投げかけた。<o:p></o:p>

 

 そこは広々としてゆりかごのように安らかだった。申し分ない充足感が来た。その充足感を失うことはできなかった。<o:p></o:p>

 

「オクヒドさんはいいですか、大丈夫ですか?」<o:p></o:p>

 

 私は胸が少しどきどきするだけでどんな羞恥心も躊躇もなく彼に尋ねた。<o:p></o:p>

 

「もちろん大丈夫だ」<o:p></o:p>

 

「本当ですね? 約束です」<o:p></o:p>

 

 私は容易く彼の承諾を得たことが信じられず、彼の小指に私の小指を絡ませて、1度ぎゅっと力を入れて揺すってからほどいた。<o:p></o:p>

 

 そうしてしばらく私は彼の胸から安らぎと充実感を貪った。<o:p></o:p>

 

「もう行こう」<o:p></o:p>

 

 彼がまず私を抱いたまま身を起こした。<o:p></o:p>

 

 私たちは再び町へ出た。<o:p></o:p>

 

「少し歩いて行きます。大丈夫?」<o:p></o:p>

 

 私は幸福を少し確認してゆっくり楽しみたかった。<o:p></o:p>

 

 街には人がまばらで、もう雨戸を閉めはじめる店もいくつかあった。<o:p></o:p>

 

 カンテラの灯をつけて焼き栗を焼いて売っている少年が、大きなあくびをしながらのろのろと商品をそろえていた。<o:p></o:p>

 

「お金、残っていますか? ちょっと焼き栗を買ってくれない」<o:p></o:p>

 

 私は彼の足にもたれたままねだった。私達がその前で止まると少年は大声で、<o:p></o:p>

 

「あつあつの焼き栗です。とても柔らかいです」<o:p></o:p>

 

 眠りから覚めたように叫んで、きまり悪そうに笑った。<o:p></o:p>

 

 焼き栗の山は冷たく冷えていた。<o:p></o:p>

 

「別にあつあつでもないな」<o:p></o:p>

 

 オクヒドさんが笑いながらお金を差し出すと、<o:p></o:p>

 

「ちょっと待ってください。すぐほかほかにします」<o:p></o:p>

 

 少年は白い歯を見せて快活に笑いながら、針金の網で焼き栗を焼くために、冷たい焼き栗をこぼして風炉をかき回した。白い灰の中で火が弱弱しくぱちぱちしていた。

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