あさか野の四季

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月桂樹(ゲッケイジュ)の花 

2013年05月12日 | 庭に咲く花

いま月桂樹が花盛りである。目立たないが淡黄色の小花が密集して咲いている。
月桂樹は地中海沿岸が原産で、日本には明治の頃に大陸経由で渡来したとされる。ローレルの名前でも親しまれ、乾燥した葉はローリエとして料理に利用される。
オリンピック競技などの優勝者に与えられる月桂冠は、古代ギリシャで太陽の神アポロンの木とされたこの樹の枝で冠を作り、栄誉をたたえたことに始まるという。
名前の由来が面白い。月の中に見える影を日本では「ウサギが餅をつく姿」に見立てることが多いが、中国では「大きな桂を切る男の姿」に見えるそうで、そのことから日本に渡ってくる時、「月の桂の樹」となったという。ちなみに漢名の月桂は木犀のことだという。牧野植物図鑑には「和名は中国の月桂樹に基づき誤った名だが慣用」とある。どこかで勘違いがあったようである。
爽やかな五月の風のもと、近づくと何とも言えないほのかな香りが漂う。
(写真:郡山市自宅庭にて)



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