司馬遼太郎著「覇王の家」のあとがきにこのような著者の記述があった。
「・・・この着想さえ真似た。かれの生涯は独創というものがほとんどなかった。自分の才能を、かれほど信ずることを怖れた人物はめずらしく、しかもそのことがそのまま成功につながってしまったという例も稀有である。そういう意味からいえば、なまなかな天才よりも、かれはよほど変な人間であったにちがいない。」と家康のことを書いている。
二百七十年の長きにわたる江戸時代を続けることが出来たのは、徳川家の極端に自己保存に過敏な性格から来ているのだが、それも家康の個人的な性格に端を端いているというのが司馬遼太郎氏の見解である。
信長や秀吉と大きく異なる特異な性格の英雄だと改めて認識した。前述の「・・・自分の才能を、かれほど信ずることを怖れた人物はめずらしく・・・」とあるように新規なことを創造するのではなく、武田信玄を真似、信長を真似と実績のある良いことを誰彼も構わず取り入れたことは、彼一流の合理主義だと感じた。
小生が学ぶとすれば、この他人の良い点を素直に真似ることであろうと思っている、これからも大いに真似をしていこうと思っている。