田園調布の山荘

「和を以て貴しとなす」・・ 日本人の気質はこの言葉[平和愛好]に象徴されていると思われる。この観点から現代を透視したい。

090405再会

2009年04月11日 12時14分37秒 | 愛・LOVE・友 
少し遅れて到着したので、皆の背中を目で追う形になったが、最初に目を合わした誰もが、一瞬誰だかよく分からなかったが、5秒もするとわかった。お互いに目を合わして分かり合っても大仰に抱き合ったり大声を出し合ったりするではなく、インテリ男性の習いでもあるのか、何ごとも無げに「いよッ」という程度の応接だった。しかし女性たちは違った。「もう会えないと思っていた・・・」声を詰まらせ涙をためながらその女性は言った。1968年(昭和43年)以来の41年という長い年月を隔てての再会はあまりにもドラマチックだった・・かも知れない。この仲間たちが今でも大阪あたりで時々集まり旧交を温めていることは、うっすら知っていたが、わたしにとってはこれは大過去、別世界の出来事として意識の中には薄れる一方だった。その人たちが今度私を思い出してくれて招んでくれた。「もう会えないと思っていた・・」と声を詰まらせたその女性との再会は、わたしにとっても感慨ひとしおであった。それは彼女とはたくさんの思い出を共有していたたからである。
往時は血気盛んな20代のまっただ中、コーラスは生活の中で大きな比重を秘めていた。集まった旧い仲間は当然女性は60を過ぎ、男子は70を過ぎている。わたしの記憶の中にある女性たちは、今の時代の娘たちとはだいぶ違い、うぶで、礼儀正しく、上品だった。男性たちは、教養があり、色々なたしなみも保有している人が多かった。今集まれば老人会ではあるが、集まって合唱をしてみると、そんなことは意識から完全に消え、ひたすら楽譜を目で追い、声をそろえる。声はそろわないだろうなと思っていたがなんの、なんの、力つよい唱和がたちまち生まれ、時間は40年前に一挙に戻った。ああ、こんなことってあるのか、何という経験なのか、これは夢ではないのか、呆然とした時間をしばし過ごすことが出来た。

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