私の知人、ブラジル移民に西村俊治さんという方がいらっしゃいました。
21歳で渡航し、刻苦精励されて大きな会社を立ち上げて、その上に農工学校も設立され、校長としても人々から尊敬されていた教育者ですが、時々お便りくださいました。その中からいくつかほのぼのとした「随筆」をシェアーします。
題:アマゾンの魚拾い
昔、私はアライワイヤ河のパナール島の近くに農場を持っていました。その土地の人がある日「西村さん、魚を拾いに行こうよ」と誘ってくれました。そこで夕食後にトラクターに乗り川辺で小舟に乗り換えました。少し行くとある場所で、車の照明を水面に向けて、他の人は船縁を叩き大きな音を立てていました。そうすると大きな魚、小さな魚が船の中に踊り込んできました。それを袋に投げ入れているうちにたちまち大漁になりました。
翌日、今度は「ピラルークを獲りに行こうか」というので牧場の中の道なき道をコトコトと一時間も揺られて小さな沼にたどり着きました。そこで車に積んできた舟を降ろし対岸まで網を張り渡しました。そして木の枝でできるだけ大きな音を立てて水面を叩きますと、50~60㌔もあろうかの大魚が網にかかりバタバタしていました。それはとても引き揚げられないので近くからピストルを発射しやっと船に引き揚げました。こうして次から次へ網にかかるのをピストルで仕留め、結局5匹もの大きなピラルークを採り、翌日塩漬けにしました。
アマゾンは天国なのです。
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