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KS Corporation 中継演劇 公演
「おやすみ、おはよう、こんにちは、おつかれさま」
場所:SUMUS cafe
こちらも初めての場所。三女と。
中継演劇は初めて…気になる!
舞台奥のスクリーンには
東京の舞台が映っている。
向こうの舞台にもスクリーンがあって
鮮明ではないけれど、
こちらの舞台が映っているのが分かる。
よく見ると、こちらの客席の前方が
少し映りこんでいた。
三女が手を出して動かすと、
その動きに僅かに遅れて
向こうのスクリーンの手も動く。
始まる前から、
そんなことをして遊んでいた(笑)。
始まる前…といえば、
会場にはモニターがあって、そこに
文章が書かれていくのが
映し出されていた。
舞台上の机に向かって
出演者が書いてる手元が映っているのだ。
同じように、向こうの舞台でも
誰かが書いているのが見えた。
よく、当日パンフレットに入っている
あいさつのような文。
それぞれの事情で
演劇から遠ざかっていたメンバーが、
映像を繋いで稽古や舞台公演を
やってみようということになった
経緯など。
演劇を続ける難しさに、共感。
今出来ることを模索する姿に感嘆。
上演前、主宰の言葉にも同じく。
動き回る子どもを
抱え直しながらの数分間……
最初からおつかれさまです~~
な気持ちになった。
…………………
夜、寝る前の時間帯
から始まる、まる一日。
2歳の子の寝かしつけ、その前に
絵本を選んで読み聞かせ。そして
こちらとあちら、4人の生活。
起きる時間が違えば仕事も違う。
それぞれの生活も違う様子が同時に進む。
目の前の舞台と、スクリーンと、
同時に見ているのだけど
やはり、
より感覚に届くのは 目の前の様子。
それに比べると、
スクリーン越しの姿はどこか
記号のような感覚でもあった。
ふいに、痛い…と
呻くような声にハッとさせられる。
より近くにある声と、その気配。
難病の彼女。
当たり前だけど、生活は
それぞれ違うんだと強く思った。
時間だけではないだろうけど、
時間軸での動きを見ると
違いが分かりやすくもあった。
ふと、
いつかの自分の生活が思い出された。
詳しくは書けないけれど(笑)
とある声かけ→返事を受けてまた1時間後→
そしてまた声かけというサイクル。
いけるかも…という期待と
だめだった…という落胆を
夕方まで繰り返し
夜がくれば解放され、
朝が来るのが憂うつだったあの頃。
仕事や学校、在宅であっても
およそありそうな…
朝→昼→晩とそれぞれに
ある程度予測のつく生活サイクル。
そこから大きく取り残された感覚だった。
1時間先の段取りを常に組み直す1日を数年。
やっぱりあれは、無理があった。
自分で自分に無理強いしてたな、と。
目で見て、比べて、自分を振り返り
じわ~っときたのだった。
繰り返しの毎日だけど、
そこからにじみ出る本音というか
感情、素顔、腹の底にあるもの…
そんなものが垣間見えると、
自分とは全く違う境遇の人でも
何だか胸に響くものがあった。
そもそも、誰かの日常は
接点がなければ、近くにいなければ
目にする機会は少ないのだ。
それこそ、家族であっても
同じ時間や場を共していなければ
実感できないことはあるかもしれない。
言葉では伝えられるとしても。
舞台とは直接関係ないかもしれないが
日々のあれこれの中に
大事なことがあるな…と考えさせられた。
個人的に印象に残ったのは
子どもの予定外の動きに対する母の反応。
寝る前の絵本、どれにする?
という問いをスルーして、
足踏みドンドン。
さらにドンドン。きた!
子どもあるある!
子どもは、
限られた時間や制限のある場所でも
予期せぬことをやってくれる(笑)。
個人差はあるとしても、それは
子どもなら当たり前のこと。
(小学生でも普通に…ある!💦)
けれど現実に直面する大人は
どうにか折り合いをつけねばならない。
これがなかなか高度な技で。
自分も同時進行の何かを抱えていたり
余裕がないと、普段できることでも
とたんにハードルが上がってしまう。
舞台では
そんな状態を否定せず、受け止めつつも
意識を切り替える言葉かけも軽やかに。
見た?今の!すごい!
これ普通?いや…そうでもないよね。
(脳内で独り言)
自分も数年前には、
その歳頃の子を育てていた。
更には、その上に子ども2人。
それぞれ5歳と4歳、歳の差で
2人、3人目育児と進んできたわけだ。
3人とも女子。比較的おとなしく
手がかからなくていいねと言われてきたが
見えないところで難儀していたことはある。
うまくいってて当たり前じゃない。
けっこう工夫したり頑張ったりしている。
そういうところ、
声高に主張してはいないけど
分かってほしいな…
と思うことはあった。
そういう意味では、
実際に目にすることは大切。
ささいな場面だったかもしれないけれど
私にとっては注目すべきところだった。
仕事なら経験すれば慣れることもある。
けれど子育ては、年を経ても
常に初めてのことに向き合っている。
新たなことに直面する。
でも、子育てに限らず
年と共に背負うものは増えてくるもの。
そういうことなら……どんな人でも
常に新たなことに直面しているのかも。
全く違う人たちの、
それぞれに繰り返される日常
だけど 今その時に向き合って
生きている瞬間を
垣間見たような ひとときだった。