月下樹のおと

樹月けい、オタク母のブログ。アニメ・漫画。お絵かき展示等。義母の介護終わり、義父のご飯お手伝い中。

10/5(金) サラダボール公演 『髪をかきあげる』観劇

2018-10-11 15:40:43 | 感想★アート演劇 映画ドラマ アニメ等


10/5(金) サラダボール公演
『髪をかきあげる』観劇

中央、一段高い台の上に座卓。
奥へと斜めに横たわる大きな台は橋のよう。
橋の下からこちらへ向かって川が伸びている。
川には水が。水面が見える。もっと奥には
小さく見える街並み。
中央奥、少し手前両側に机など。

突然目の前の座卓の上に立つ男が
馬のいななきのような声。
何事だ。その後も出てくる人々は、それぞれ
男女の仲だったり、職場の同僚だったり
男友達同士、家庭教師と教え子の間柄だったり。

少しずつかみ合わないのは会話なのか
その人の考え方、ものの捉え方なのか。
近いはずなのに少しずつ違う
けれどそれは決定的でもあり。
まるで手の届かない川の両側。
お互いに近寄ったとしても、川の中。
川の中では居られない。

無責任が楽だと言う男。リラックス出来ると。
それもそうかもしれないな。
きちんとするから気が抜けない。
それが過ぎることも多い。
皆それが当たり前だと思い込んでる。

自分のそばには人がいないと言う女。
馬くらい違う生き物ならいる、ということか。
似たようなこと、たまに思う。
ひしひしと感じる相容れなさ。
お互い様だろうけど。
結局、心の中の空白は簡単に
埋まるものではないんじゃないかと。

でも、あの場面はいいなと思った。
橋の上で蛍を探す
子どもを亡くした夫婦。
懐中電灯をつけたり消したりする二人。
そこへ通りすがり、ふと会話する女。
無責任な関係だけど、だからこそ
楽に関われるのかもしれない。

違う境遇、たぶん考え方も違うだろう。
でも川の上に架かる橋があって
そこを歩くことがあるなら
その時だけでも共有できるもの。
わずかな時でも、
次はいつという、当てはなくても。
ふっと繋がる場があればいいなと思った。

それくらいがちょうどいいかも。
それくらいなら有り得ないことじゃない。
ちょっと心が明るくなる。

最後、街に灯りがともった。
透明だった川の水が、少しずつ青くなった。
単純にきれいだと思い
変わらないという諦めを
静かにほぐしてくれるような気持ちになった。
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