「トワ・フルール」Vol.19。
北海道を拠点とする同人誌。表紙がカラフルだからか
編集が洗練されているからか、明るい雰囲気がする。
編集にも創意工夫があり、飽きさせない。
「トワ・フルール」との出会いは、私が
「蓮」という十数人の同人誌を発行していた頃。
新アララギの雁部貞夫さんの紹介だったと思う。
「蓮」は11号でこと切れたが、本誌は充実の一途である。
(「トワ・フルール」Vol.19・編集発行人:大塚亜希 定価1.000円)
11月10日。私の生誕の日である。
どうってことのない、ただただ、支払日だなぁと目覚める。
「今日はお誕生日ですね!」とメールが届く。
昔、メンバー登録したアウトドアショップからである。
律義だな、と思うほどコンピュータは発展してる。
わが工場の、とある家族が今夜は誕生日を祝ってくれるそうだ。
何日か前に子守を頼まれた職人一家。
街に出るのは面倒だけど好意は受けなければならない。
11/10になると思い出す短歌がある。
十一月十日雲一つなく風がないたが締めつけて桶に水を張る 山崎方代
今朝は青空が広がっていたし、風もない。
あたかも今日のような天気を表現している方代の作品。
1990年発行の自選歌集『首』(短歌新聞社)で知ったことを憶えている。
1990年と言うと実感できないが年号だと平成2年。
ああ、あの頃かと思う。千葉県市原市でネクタイを締めて働いていた頃だ。
自己流の短歌を朝日新聞に投稿していたバブル時代の末期。
朝日歌壇に載ると、職場のラックから新聞を取り出し、
ほら、これ・・と誰彼ともなく見せて、自慢していた。
まだ、希望というか夢というか。
それらが未来に見えていたころ。
いまや、夢は過去にある。
叶わなかったからこそ過去には夢の残骸が散らばっているのだ。
なんつって。
おしまい。