
目覚めると厚い雲に覆われた空。気温だけは高め。不気味な温度。
昨夜から腹痛でまいりましたよ。
今もなんとなくもやっとした感じ。
たぶん、明日から三連休なので気が緩んだせいかしら。
健康第一です。休み中はプチ失踪しようと目論んでます。
さきほど、妹が発送する部品を梱包しながら
「太宰なんか読んだほう?」なんて訊いてきた。
太宰からもっとも遠い人間が問いかけてくるんですから
驚きましたが、奴は極秘裏に斜陽館を見物してきたからでしょうね?
「ああ、中学時代かなぁ、太宰を一番読んだのは・・」なんて
感慨深げに呟くと
「あんたが本読んでたのなんか、見たことねーわ!」と
見透かされてしまいました。
私立の男女共学高校に進んだわけですが、あの頃はクラスの
目立つグループじゃない女子生徒の中に「ダザイがさ」なんて、
言う人がいましたっけ。私は太宰の読者ではありませんでした。
いい歳になってから『グッド・バイ』を読んだくらいで。
太宰の墓前で死んだという田中英光には少しだけ興味があって
『オリンポスの果実』を持ち歩いて読んでましたよ。
ここでも何回か、書きましたかね。
「あなたは、いったい、ぼくが好きだったのでしょうか」
最後のフレーズが印象的ですね。
最近読んだ中では・・ってもう20年ほど前ですけど。
『サヨナライツカ』ね。辻仁成の。
サヨナライツカ
永遠の幸福なんてないように
永遠の不幸もない
いつかサヨナラがやってきて、いつかコンニチハがやってくる
人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと
愛したことを思い出すヒトにわかれる
私はきっと愛したことを思い出す
という主人公と結婚する女性が作った詩が印象的でした。
わたし、ろまんちっくなのね。
小説を読むこともいまはほぼない。
私は死ぬとき
愛されたことも
愛したことも思い出さない
思い出すということは
忘れていたということだから
なんつって。
おしまい。