寒い中、不自由な足でヨチヨチ歩く野良猫。枯枝で隠れてうずくまる野良猫。栄養不足で痩せ、ヒゲは折れ曲がり、歯は抜け落ち、眼はただれ、被毛は乾燥してバサバサ。
あまりに哀れな姿に胸が痛み、せめて1食だけでもとフードを持っていったら、痛む足を引きずりながら私の後についてきた。その頃の私は黒ラブのパピーに毎日振り回されていたし、モックンもすでに飼いネコとしていた。これ以上は飼えないなぁと思いつつ、満身創痍の気の毒さに動物病院へ連れて行った。せめて体力が回復するまで見守ろう。
フードと水を準備し、ハウスを作り、体の傷に薬を塗り込み、貧血のお薬を飲ませ、ただれ目に目薬をさした。「心配ないよ」と声掛けしてなでているうち、野良猫は次第に健康を取り戻していった。
何度目かの診察の日、獣医師に「おうちの子として飼うのはどうですか?犬ほどお世話はいりませんよ」と言われました。それでもまだ決心がつかず「考えてみます」。
会計に行って追加のお薬をもらったら、名前欄に「ボロネコ」と書かれていた(ように見えた)。
この野良猫は満身創痍だけど、ボロネコなんかじゃないわ!辛くてもへこたれない立派な猫なんだよ。ボロは着てても心は錦。
落ち着いて良~く見ると、ホゴネコ(保護猫)ちゃんと読める。そりゃそうよね、まさかボロネコなんて書くはずがない。この時、この子をウチの子にしようと決意した(記念のお薬袋は捨てられない)
サブちゃんと命名されたその猫はとても素晴らしい猫でした。サブのことは以前よく記事にしたので再掲しませんが、素直で律儀で責任感があるたくましい猫でした。
サブちゃんに会いたい気持ちはいつもあるけど、ここしばらく本当に会いたい気持ちが募っています。サブがいなくてさみしい。
サブはいつまでも私の心のネコですの。