Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

変化の余韻

2016-12-28 01:00:00 | 雪3年4部(突撃〜時の流れ)


父はフンと息を吐くと、蓮に向かって言葉を掛けた。

「雪ばっかりと言うが、それは雪がそれだけ努力してるからだろう、バカモンが」

「アンタお父さん見てたら分かるでしょ?簡単に儲けようとすると簡単に失敗するのよ」

「なんだと?!」



淳はその場に立ち尽くしたまま、問題を解決して行く赤山家をただ眺めていた。

自分が立つこの場からは、雪の表情は窺えない。

「とにかく親のことを心配する前に、まずは自分のことをきちんとやりなさい」

「あいっ!」



雪の父は淳に向き直ると、息子の非礼を詫びた。

「助けに来てくれて感謝するよ。うちの愚息が迷惑を掛けたね。まったくお恥ずかしい‥

「あ、いいえそんなことは‥。大変だったのは雪ちゃんですよ。

大事にならなくて幸いです。若気の至りというやつでしょう。あまりお叱りになりませんよう‥」
「ああ」



その隣では、蓮と恵が会話している。

「大変だったね、蓮」「ウン‥」



「二度とこんなことしないで。あたし本当に心配したよ」



恵の温かな言葉に、思わず蓮はウルウルと涙ぐんだ。恵はそっと蓮の頬に手を伸ばす。

「とりあえず二人でちょっと話さない?これからのこととかさ」

「キンカン‥」「最初に言っとくけど、」



そう前置きする恵に蓮が「え?」と聞き返すと、彼女は衝撃発言をした。

「次こんなことしたら別れるからね?」



思わずゾゾッと身震いする蓮を引っ張って、恵は元気良く彼の両親に挨拶する。

「おじさんおばさん、あたし達先帰りますね!タクシー呼びました!

「恵ちゃん、蓮のこと懲らしめてやってね」



「お先失礼します〜」



そうして去って行く蓮と恵の後方で、亮は人知れず皆に背を向けた。

するとその背中に、雪の母の声が掛かる。

「亮君!」



「何こっそり帰ろうとしてるの」「あーっと‥」

「最近はどう?上手くやってるの?」

「ハイ、まぁ‥。近いうちにご挨拶に行きます」



言葉を濁す亮のことを、雪の母はまっすぐ見つめてこう言った。

「そうね。亮君は真面目で仕事もきちんとやるから、

どこへ行っても上手く行くと思うわ」




そう言って彼にエールを送る。少し離れた所から、雪の父も亮に声を掛ける。

「辞めたからって遠慮せずに時々メシでも食いに来るんだぞ!」「‥ハイ」






赤山家の父と母は、温かな目で亮のことを見つめていた。

少し離れている場所に居た雪も、亮に向かって会釈する。



しかし亮は雪から視線を外すと、そのまま皆に背を向けた。

「それじゃこれで‥帰ります」「ああ、じゃあな」「今日はありがとうね!」

「先輩、今日はこのまま帰ります。親と一緒に帰った方がいいと思うので‥」

「そうだね、そうした方がいい」



「それじゃ失礼します」

「ああ、運転気をつけてな。良い車に乗ってるな‥「アナタ何言ってるのよ」

「はい」






淳は雪が車に乗り込むのを見送った。

自身を見つめる淳に向かって、雪が最後に声を掛ける。

「先輩」



「今日は本当に本当にありがとうございました。気をつけて帰って下さいね」



雪はそう言ってニッコリと笑った。心からの笑顔で。

「うん、じゃあね」



淳もまたニッコリと笑っていた。

しかしその笑顔がどこか不自然なそれだったことに、ガラス越しの雪は気が付かない。







その車が走り出しても、淳は暫くの間そこから動かなかった。

胸の中をざわつかせるその感情と、その変化の余韻が淳を縛り付ける‥。







握れなかったその手は、ポケットの中に置いてけぼりになった。

もう雪の姿はとっくに見えなかった。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<変化の余韻>でした。

問題解決した赤山家と、そこに未練を残さないよう去って行く亮、そして無言で雪を見送る淳‥。

本当一難去ってまた一難です。引き続き暗雲漂ってます〜〜(TT)

でも次回は心温まるお話ですよ^^

<時の流れ>です。


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