ピピピピピピ‥
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携帯のアラームが、大音量で鳴り響く。
眠りこけていた雪は、その音でパチッと目を覚ました。
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すごい寝相のまま‥。
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天井を見ながら一人呟く。
「あ‥開講か‥」
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長い休みが終わり、今日から新学期。
雪は暖かくなり始めた外の気温に合わせて服を選ぶ。
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実家には母の姿があり、雪はあくびを噛み殺しながら「行ってきます」と声を掛けた。
「ねぇ後で蓮にメール入れておいてくれない?アメリカで随分寂しい思いしてるみたいだから」
「分かった」
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鳥の声が朝の空気に響く中、雪は外に出た。
空は吸い込まれそうに青い。
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時は流れ、新学期が始まった。
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「もしも」の世界はこれから始まる。
とりあえずこの人が、雪の傍に現れた。
「あー良い天気」「そうねェ」
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「アンタ、大学行くの?」
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”お隣さん”は煙草の煙を吐き出しながら雪にそう聞いたが、
まだこの世界の雪は彼を知らない。他人行儀にお辞儀する。
「はい、おはようございます‥」
「は〜い、いってらっしゃい。アンタ、お勉強頑張るのよ!」
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「あ〜あたしにもあんな時があったのに‥就職も出来ず‥あたしの人生って‥」
「‥‥‥」
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雪は目を点にしながら、そのまま駅へと歩いて行った。
胸の中に違和感を抱えながら、地下鉄に揺られる。
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何だろ‥?
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この話は無数にある選択肢のその一つ一つを、省みながら進んで行く物語だ。
さて、舞台は大学へと移る。
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「おはよ、雪ちゃん!」「おはよう」
「良い天気だね〜」
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同期の子と挨拶を交わした雪が前を向くと、
そこに一人の男性が立っていた。
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遠藤助手。
彼は物々しい形相をしながら雪を見ている。
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みるみるうちに周りの学生達が引いて行った。
これは遠藤助手爆発するぞ、と。
「あ、おはようございます遠藤さん」「おいっ!」
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「お前良い齢して申請書の名前すら正しく書けないのか!?
お前の名前は赤山雪か?!赤山雷か?!文字が汚いなら◯ペンの美子ちゃんでもやれ!ちゃんとまっすぐ書け!」
「すっ、すみませんでした!急いでて‥」「逃げろっ」「ヒステリーだ!」「雪!グッモーニン〜♪」
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案の定の大爆発‥。雪は白目になりながらそれを見送った。
「まっすぐ書け!まっすぐ!」
「雷〜!」「お、これから雷さんと呼びまショウか?」
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そんな雪の隣で聡美と太一が笑っている。
太一は腕時計を見て少し考えた。
「それじゃ‥」
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「授業が始まるまでまだ時間があるので、チーズバーガーセットでもどうデスか?」
「はぁ?!胃の中に腹ペコ青虫でもいるの?!」
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「残したら俺が全部もらいますんで心配ご無用デス」
「‥‥‥‥」
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普段通りの二人の間で、雪は再び違和感を感じていた。
そして至極純粋に、その疑問を太一に向かって投げ掛ける。
「てかアンタ軍隊行かなくていいの?」
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‥ハイ?
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この物語ではまだ未定の「太一徴兵問題」。
三人の間の空気がおかしなことになったのは言うまでもない‥。
「ちょっとぉ〜」
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「太一泣いちゃったじゃん!どーすんのよ?」「う‥ごめん」
「うう‥雷さん実は俺のこと嫌いなんスね‥」
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雪は心の中で私ってばどうしてあんなこと‥と自らを疑問に思っていたが、
どうやらこの物語の中では現在の雪の記憶は曖昧なものらしかった。
そして以前には無かったエピソードが、次々と起こるらしいのだ。
「そこ、ちょっと静かにしてくれる?もうすぐ教授いらっしゃるから」
「なぁなぁ佐藤見なかった?クソ!ノート写さなきゃなんねーのに!」
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教室では平井和美を始め、曰く付きのメンバーが数々登場した。
和美に注意された聡美は「何よアレ」と眉をひそめているが、雪はただ素直に頷いている。
「雪ちゃん、おはよう」「あ、おはよ」
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清水香織が雪の隣の席にやって来て、嬉しそうに頬を染めた。
やがて教授がやって来て、授業が始まる。
「では授業を始めます」「おはようございます!」「出席取るぞ」
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何だろ、と雪は思った。何か違和感を感じるのだ。
何か色々ごちゃごちゃながらも‥何かをすっ飛ばしてるような‥なんだかおかしな気分だわ‥
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何なんだろう‥?
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雪は曖昧な状況でゆらゆらと揺れていた。
何か大事なことを忘れているような気がして‥。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<<雪>If(1)ー開講ー>でした。
はい、パラレルワールドの始まりです!
‥困惑しますよね。うん、私も困惑中です
まさかの仮想世界‥。そして雪の記憶がすごく曖昧なんですよね。
先の展開が気になるところですが、けどこの仮想世界、じっくり読んでみると結構な面白さです。
昔の色々な場面が出て来るんですよね^^
まず、久々の秀紀兄さんの登場に胸熱!
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からの、爆発遠藤さんの登場!
「お前の名前はホンソルか?!ボンソルか?!」ですって。
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以前夏の事務バイトの時に名前で遊んでたのが蘇ります。
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(ボンソルを受けての「ボンヌナ、実は俺のこと嫌いなんスね」も面白い‥
)
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そして最後遠藤さんが去って行く時に
「まっすぐにしろ!まっすぐ!」(トッパロ?)と言ってるんですが、
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これって前淳が秀紀に言ってた台詞と同じなんですよね。
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なんとも自虐的というか皮肉というか‥
あと太一の「チーズバーガーセットでもどうデスか?」は、
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これ思い出しますね。
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こんなのも。(太一×チーズバーガーは鉄板‥)
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‥と言う感じで、なかなか見どころ満載となっております。
仮想世界、まだ続きますよ〜
次回は<<雪>If(2)ー縁と対処とー>です。
☆ご注意☆
コメント欄は、><←これを使った顔文字は文章が途中で切れ、
半角記号、ハングルなどは化けてしまうので、極力使われないようお願いします!
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携帯のアラームが、大音量で鳴り響く。
眠りこけていた雪は、その音でパチッと目を覚ました。
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すごい寝相のまま‥。
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天井を見ながら一人呟く。
「あ‥開講か‥」
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長い休みが終わり、今日から新学期。
雪は暖かくなり始めた外の気温に合わせて服を選ぶ。
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実家には母の姿があり、雪はあくびを噛み殺しながら「行ってきます」と声を掛けた。
「ねぇ後で蓮にメール入れておいてくれない?アメリカで随分寂しい思いしてるみたいだから」
「分かった」
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鳥の声が朝の空気に響く中、雪は外に出た。
空は吸い込まれそうに青い。
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時は流れ、新学期が始まった。
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「もしも」の世界はこれから始まる。
とりあえずこの人が、雪の傍に現れた。
「あー良い天気」「そうねェ」
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「アンタ、大学行くの?」
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”お隣さん”は煙草の煙を吐き出しながら雪にそう聞いたが、
まだこの世界の雪は彼を知らない。他人行儀にお辞儀する。
「はい、おはようございます‥」
「は〜い、いってらっしゃい。アンタ、お勉強頑張るのよ!」
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「あ〜あたしにもあんな時があったのに‥就職も出来ず‥あたしの人生って‥」
「‥‥‥」
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雪は目を点にしながら、そのまま駅へと歩いて行った。
胸の中に違和感を抱えながら、地下鉄に揺られる。
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何だろ‥?
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この話は無数にある選択肢のその一つ一つを、省みながら進んで行く物語だ。
さて、舞台は大学へと移る。
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「おはよ、雪ちゃん!」「おはよう」
「良い天気だね〜」
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同期の子と挨拶を交わした雪が前を向くと、
そこに一人の男性が立っていた。
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遠藤助手。
彼は物々しい形相をしながら雪を見ている。
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みるみるうちに周りの学生達が引いて行った。
これは遠藤助手爆発するぞ、と。
「あ、おはようございます遠藤さん」「おいっ!」
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「お前良い齢して申請書の名前すら正しく書けないのか!?
お前の名前は赤山雪か?!赤山雷か?!文字が汚いなら◯ペンの美子ちゃんでもやれ!ちゃんとまっすぐ書け!」
「すっ、すみませんでした!急いでて‥」「逃げろっ」「ヒステリーだ!」「雪!グッモーニン〜♪」
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案の定の大爆発‥。雪は白目になりながらそれを見送った。
「まっすぐ書け!まっすぐ!」
「雷〜!」「お、これから雷さんと呼びまショウか?」
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そんな雪の隣で聡美と太一が笑っている。
太一は腕時計を見て少し考えた。
「それじゃ‥」
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「はぁ?!胃の中に腹ペコ青虫でもいるの?!」
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「残したら俺が全部もらいますんで心配ご無用デス」
「‥‥‥‥」
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普段通りの二人の間で、雪は再び違和感を感じていた。
そして至極純粋に、その疑問を太一に向かって投げ掛ける。
「てかアンタ軍隊行かなくていいの?」
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‥ハイ?
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この物語ではまだ未定の「太一徴兵問題」。
三人の間の空気がおかしなことになったのは言うまでもない‥。
「ちょっとぉ〜」
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「太一泣いちゃったじゃん!どーすんのよ?」「う‥ごめん」
「うう‥雷さん実は俺のこと嫌いなんスね‥」
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雪は心の中で私ってばどうしてあんなこと‥と自らを疑問に思っていたが、
どうやらこの物語の中では現在の雪の記憶は曖昧なものらしかった。
そして以前には無かったエピソードが、次々と起こるらしいのだ。
「そこ、ちょっと静かにしてくれる?もうすぐ教授いらっしゃるから」
「なぁなぁ佐藤見なかった?クソ!ノート写さなきゃなんねーのに!」
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教室では平井和美を始め、曰く付きのメンバーが数々登場した。
和美に注意された聡美は「何よアレ」と眉をひそめているが、雪はただ素直に頷いている。
「雪ちゃん、おはよう」「あ、おはよ」
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清水香織が雪の隣の席にやって来て、嬉しそうに頬を染めた。
やがて教授がやって来て、授業が始まる。
「では授業を始めます」「おはようございます!」「出席取るぞ」
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何だろ、と雪は思った。何か違和感を感じるのだ。
何か色々ごちゃごちゃながらも‥何かをすっ飛ばしてるような‥なんだかおかしな気分だわ‥
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何なんだろう‥?
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雪は曖昧な状況でゆらゆらと揺れていた。
何か大事なことを忘れているような気がして‥。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<<雪>If(1)ー開講ー>でした。
はい、パラレルワールドの始まりです!
‥困惑しますよね。うん、私も困惑中です
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まさかの仮想世界‥。そして雪の記憶がすごく曖昧なんですよね。
先の展開が気になるところですが、けどこの仮想世界、じっくり読んでみると結構な面白さです。
昔の色々な場面が出て来るんですよね^^
まず、久々の秀紀兄さんの登場に胸熱!
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からの、爆発遠藤さんの登場!
「お前の名前はホンソルか?!ボンソルか?!」ですって。
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以前夏の事務バイトの時に名前で遊んでたのが蘇ります。
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(ボンソルを受けての「ボンヌナ、実は俺のこと嫌いなんスね」も面白い‥
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そして最後遠藤さんが去って行く時に
「まっすぐにしろ!まっすぐ!」(トッパロ?)と言ってるんですが、
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これって前淳が秀紀に言ってた台詞と同じなんですよね。
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なんとも自虐的というか皮肉というか‥
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あと太一の「チーズバーガーセットでもどうデスか?」は、
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これ思い出しますね。
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こんなのも。(太一×チーズバーガーは鉄板‥)
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‥と言う感じで、なかなか見どころ満載となっております。
仮想世界、まだ続きますよ〜
次回は<<雪>If(2)ー縁と対処とー>です。
☆ご注意☆
コメント欄は、><←これを使った顔文字は文章が途中で切れ、
半角記号、ハングルなどは化けてしまうので、極力使われないようお願いします!
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チートラはただでさえ時系列が難しいのにさらに
混乱しそうですね。笑
そしていつも予想の斜め上をいく展開に少しわくわくしてます!番外編ってことなのかな?
どっちにしろこれからの展開に期待です!(*⁰▿⁰*)
ここ、いつの時点というより、悩む雪ちゃんの思考を整理する仮想世界なんでしょうか。
それにしても、yukkanenさんの記憶力…素晴らしいです!
そんな細かなところまで気付かれるなんて、韓国ファンの方でもいらっしゃるかどうか?
スンキさんも絶対に感動されますよ…このすごいブログをスンキさんに読んで頂きたい!
てこと、、なんですかね?
だとしたら、、もしも過ぎる!
賑やかし勢揃いが恐ろしい(笑)
、、でもメイン3人がいなかったら、
賑やかしの面々は多分雪に関わらなかった可能性がとても高いですよね。
となると、雪の現在までの成長も違う内容になっていたという事なんでしょうね。
てなると、このダイジェスト的な展開はメイン3人との関わりで成長した雪が3人のいない世界を新たに体験している、、?
て感じなんですかね?
私の推測もまた妄想、、ですが
何が何やら分からないこの展開。
最終盤、主人公たちがついに本音を吐露した瞬間、更に読者を煙に巻くこの流れ。本家でも色んな憶測と???が飛び交っていましたが…
今回はyukkanenさんという心強い同行者がいるので、迷える子羊たちをきっと導いてくれることでしょう←他力本願
でもこの回、秀紀兄さんが出てくるから、個人的にはとっても嬉しいです♪
でもなんかあの雪ちゃんのポカン顔、いつかの聡美を思い出しますね〜
かわいい〜
最終回まで終わった今は、この展開も理解しつつありますが、本家更新時は本気で「えっページ読み飛ばした?」感半端なかったです‥。
スンキさんの最後の時系列マジックが始まりますので、どうぞお楽しみ下さいね!!
宵っぱりさん
遠藤さんの「トッパロ」に気付いた時はさすがに震えました‥私の脳内チートラ、整理して単行本にしたいくらいです。OTAKU!
うめやんさん
この仮想世界、後々亮も淳も出てくるので、どうぞ楽しみにしていて下さいね!
スンキさんの最後の大仕掛けですよー!
なべぞうさん
まさにカオスな展開‥。私もよく分からないまま進んでおります‥(汗)
本家も更新時は皆「???」でしたよね!
スンキさんコメント欄読んで楽しかっただろうな‥
コタツさん
きらきらふわふわ‥どこだろう‥
「周囲に気を配れるようになって私は嬉しい」の辺り‥かな‥?
雪ちゃんポカン顔ですが、この展開で一番のポカン顔は読者では‥?!
皆さんのコメント読むと、
あの3人がいないと仮定すると、
ちょっとした違和感が合点がいくのかも??
そうしたらきっと健太先輩に毎回頼みごともされないし(佐藤先輩には気の毒ですが…相変わらず佐藤頼みのクズ健太ですねー)、和美も学科代表でしゃしゃるだけで雪ちゃんに個人的恨みを持たないだろうし、横山は…始まりが和美に失恋→聡美だったので、もしかして…?それでも黒淳に焚きつけられてはないのでストーカー化は避けられ(?)ますかね?
こうやって振り返ると、
いかにあの3人が雪ちゃんに善悪両方の意味で影響与えていたのかが浮き彫りになってきますね。
雪ちゃんの謎の違和感は
読者側からしたら100倍違和感ですね笑\( ˆoˆ )/
泣いた先輩へ手は差し伸べられるのか…
そしてこのif回で雪ちゃんはあの3人と関わってよかったと分かるのか…うーむ。
予測不可能なモヤモヤの中更新全裸待機です\( ˆoˆ )/
確かにこれは完全に読者ぽかーん
です(°▽°)
私もyukkanenさんの、仮定の話だよ〜っていう嬉しい予告がなければ、完全にポッカーンでしたわ(°▽°)
更新全裸待機中‥?!
頭がパァン\( ˆoˆ )/と共に吹きましたww
ぶふーっ
そうそう、あの三人が居ない世界が描かれて、その先に「やっぱりあの三人が居て良かった」みたいなオチに繋がるとシックリ来る気もするんですよ。
けどやはり神(スンキ氏)は我々読者の予想の斜め上を走ってらっしゃいました。
この先も全裸待機でお願いします!!
コタツさん
やった!当たった!
あの辺り、日差しがキラキラしててキレイですよね。雪ちゃんの美人さが際立ってました。。
納得の読者ポッカーンですよね‥。
しかもクライマックスの良い場面からのこの展開ですから、皆白目になったことと思います。