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「もしも」の話は続いていた。
この世界の雪が、違和感を感じ続けて首を捻っている。
一体何なの?この気持ち‥
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様々な状況がごちゃまぜになった状態で、何かを忘れているような気がしてならない。
悶々としながら歩いていると、不意に男性とぶつかった。
「うおっ!」
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「あ〜何だよ‥ったく!」「ひぇっ‥す‥すみませ‥」
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ぶつかった拍子に男が抱えていた大きな水のタンクが落下し、ゴロゴロと転げた。
男は雪に向かって怒鳴り出す。
「おいお前!」
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「お前大学生なんだろ?!若ぇのにもう老眼か?!どこ見て歩いてやがる!あぁん?!」
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「す、すみません。ちょっと考え事してて‥」
「何を考える事があんだよ学生がよ。これからは気を付けろよな。じゃなきゃ転ぶぞ」
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男にそう言われ、雪は小さく返事をして背を向けた。
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そのまま去って行こうとした雪だったが、胸の中にある違和感は膨らみ続ける。
どこかで会ったことがあるような‥。
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「河村氏?!」
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「あ?」
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そう、男の名は河村亮。
しかしこの世界において二人はまだ知らない者同士である。
「何だ?お前オレのこと知ってんの?」
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目を丸くしてそう問う亮。
しかし聞かれた方の雪が、逆にキョトンとした表情を浮かべた。
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「い‥いえ‥」「何だよ」
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雪の答えに亮は首を傾げたが、今度は鼻を高くして彼女が自身を知っていた理由をこう解釈した。
「そういやA大のイケメン配達員って言われてたっけな。ったく人気者は辛いぜ‥」
「‥いえ」
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「すみませんでした‥」「あぁ?何だ急にショボンとして」
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小さくなって頭を下げる雪に向かって、亮はこんなことを言う。
「こうして会ったのも何かの縁だ。これからは知り合いのフリしてもいいぜ!
芸能人とファンみたいなモンだな!」
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出会い直した二人の間に、切れなかった縁が蘇る。
そして亮は、鼻歌を歌いながら去って行った。
ルルル〜♪
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???一体何だ??
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自身の周りで起こる怒涛の展開に、なかなか頭がついていかない。
雪は依然として違和感を抱えたまま、次の授業へと向かったのだった。
「はい、それではグループごとに着席して」
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そう指示された通り雪が着席すると、そこには同じグルワのメンバーが集まっていた。
なんという地獄絵図‥
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キョトンとした雪の周りで、彼らは思い思いの会話を始める。
「うお〜!赤山と平井と一緒!ツイてるぜ〜!これでうちのグループが一番だな!」
「雪ちゃん‥」「和美ちゃ〜ん
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「アンタにはあたしじゃなくて赤山がお似合いよ」「はぁ?うえーっ
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「糸井!ノート取ってくれ!」「嫌です」「おい佐藤!ノート取れ!」「もうどっか行って下さいよ!
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「雪ちゃん、その服可愛いね。どこで買ったの?」
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皆の好き勝手な会話の狭間で、雪はまるで放心状態だった。
すると横山が雪の方を見ながら悪態を吐いてくる。
「赤山なんて熨斗つけられてもお断りだし」
「ありがと!」「はぁ?」
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しかしすぐさま礼を言われ、横山は煙に巻かれた。
続いて清水香織が雪に話し掛ける。
「雪ちゃん、そのジャケット‥」
「xxxaaa.com。クーポン使って5300円」
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反射的にそう返した途端、雪はふと我に返った。
ちゃんと香織の方を向いて、彼女を見て言葉を返す。
「けど香織ちゃんはジャケットよりカーディガンの方が似合うと思うな。
女らしい服の方が似合う顔立ちだもん」
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雪がそう言うと、香織は嬉しそうな顔をして、
「ほ‥本当‥?」
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と言った。
雪が選び直したその対処が、未来を優しく変えて行く‥。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<<雪>If(2)ー縁と対処とー>でした。
おお〜亮さんが出てきましたね!
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M字だったけど‥。
しかし不思議な登場の仕方ですね。なぜ水を運んでいるの‥
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そしてグルワメンバーの悲惨なこと‥!
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100%上手く行く気がしないですね‥あのメンバー‥
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そんな中雪が見せた香織への対処が印象的でした。
香織って最初は単純に雪に対する憧れしか持ってなかったですもんね。
こんな風にちゃんと対処すればあそこまでこじれることは無かったんだろうな、と。
そして思い出すのは、こじれた香織のこの顔‥↓
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何度見てもムカつくわーッ
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次回は<<雪>If(3)ー別々の道ー>です。
☆ご注意☆
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私は人のブログを見るのは基本1日坊主ですが、こちらは面白すぎてかなりハマってます。
ところで、頂いたお返事は全て読ませて頂いておりますが返信をしたら、永遠に続けたくなってしまうので、あまり返さないようにしております。
しかし、いい感じのツッコミ所を発見してしまったので、血が騒いでいてもたってもいられず(一行で終わるツッコミの前置きにしては今世紀最長級に長かったので以下略)
香織マニュアル(°▽°)
ボンソルー!早速のHNでのコメント、ありがとうございます!
確かにこの世界、平和な気もしますよね。
けどそれは淳との経験を経てきた雪だから出来た対処であって‥と考えるとパラレルワールドです‥
かりんとうさん
黒淳の「これからは気を付けろよ」は恐怖しかありませんでしたが、
亮さんの「これからは気を付けろよ、じゃなきゃ転ぶぞ」は優しさしか感じませんね‥(ホロリ)
Aliceさん
こんなにも今まで出て来た人達勢揃いのパラレル、凄いですよねw
次回、遂に淳さん登場しますのでお楽しみに!!
ゆくさん
香織ちゃんヤバイ!いけいけ!ww
笑いましたw
香織ちゃんマニュアルを習得した雪ちゃんは今度こそ彼女と良い友達になれるかもしれませんよね^^
なべぞうさん
本当本当、この香織ちゃんのくだりだけはこのパラレルワールドの中でシックリ来たシーンでした(^^;)
香織ちゃんへの対応は、聡美が彼女を毛嫌いしてた、ってのも良くなかったんですよねぇ。雪ちゃん、聡美と差を付ける為に塩対応してた所もあったような気がして。
こんな風に二人きりで向き合ったら、ちゃんと香織ちゃんを優先した選択が出来ていたのかもしれませんよね。
けどなべぞうさんの仰る通り、今だからこそ正解が分かるだけ、なのかもしれません。
もるっちょさん
このパラレルワールドの答えが、香織ちゃんとのシーンに透けて見えましたよね!
亮さんは謎の登場でイマイチ分かりづらいですが‥。。この先もお楽しみに!
コタツさん
香織ちゃんはメガネを取るまでの段階で味方につけておけば問題ないようです(香織マニュアルより)
あのムカつく顔にするには塩対応を繰り返し蓮を恵とイチャつかせたところを見せれば、ライオン人形蹴っ飛ばした後してくれます(香織マニュアルより)
ねねさん
気になりますよね‥先輩号泣してましたもんね‥
このパラレルワールドの間中泣いてるのかと思うと気の毒ですわ‥
河村氏が出てきたから青田先輩も出てきますよね?
出てこなかったら、、、。
子供みたいにボロボロ泣いてた青田先輩が気になります。
香織さんは、やっぱ初期の心が綺麗だった時代に対処しておけばとっても平和には終わりますね〜。あんな顔をすることもなく....よかったね、香織....
とはいえ、あのムカつく顔がない場合の香織は面白さの99%がなくなりますね。(ひどい)
作品に入り込んでるときは、まじでムカつきましたけど、後からイジってるのを見るのは楽しい!!
他のヤツらにはどんな平和な対応をするんでしょうか?楽しみですね!!
今まで雪ちゃんが選んで進んできた道の先にある答えを表すものなんだなと気づき、すごく深いなあと思いました。
この漫画、本当に面白い・・・!
ただ、それは雪も読者もあの事件を体験したから出る結論。何も知らずにこの対応が当たり前にできるかと言えば、答えはNO。
人生は選択の連続。その選択の先は見えず、やり直しが効かない。それが貴くもあり、怖くもある、そんな一端を見た気がします。
香織ちゃんやばい人だ!!!雪ちゃんいいぞ!!いけいけ!!
と思っていましたが、雪ちゃんが対応を変えるだけでこうも変わっていく可能性があったんですね…。色々な物事の見方が変わりそうです。
河村氏とは関わりましたね!
清水への対応は、雪ちゃんがこうしとけば
よかったっていう選択のひとつですかね…?
ということはこのよく分からないパラレルで
雪ちゃんは今までの選択や対応を見直すのか…
Ifなのだから…頭の中整理するのにこんな盛大な妄想世界作れる雪ちゃんすげぃ…笑
しかし雪ちゃん自身も読者も混乱しますね\( ˆoˆ )/
そしてみんな淳さん待ってます!笑
グループワーク~厄介者の集まりですね…
この世界は一体どういう結末に行き着くのか…(?_?)
亮が雪ちゃんの大学に出入りしているということは、
淳がそこにいないからなのか、淳との確執がない世界なのか……いろいろと気になります(笑)
平和だ(*´ー`*)