有明とは月がまだ残っているのに明けていく空のことです。そして有明の空に残っている月が有明の月。十六夜以降の月をさすそうです。すっかり影が薄くなって、透けて見えそうなほど儚い有明の月は、切ない恋の思いをいっそうかき立てるものとして、よく和歌に詠まれています。
明け方の空は、ダイナミックなドラマが繰り広げられる時間です。どうしても明るく染まりゆく空や、上る太陽の方に目がいきますが、そんな中で西の空を振り返り、消えゆく月を見つめる瞳・・・・なんて優しい瞳でしょうか。
いつも前ばかり見ていないで、たまには後ろを振り返ってあげて下さい。ずっと、あなたを見守っている眼差しに気づくはずです。