


「女郎花(おみなえし)」は秋の七草のひとつ。女郎(おみな)は女性という意味ですが、「えし」の解釈はいろいろです。そばにいる女性を圧倒するほど美しいから女郎圧し(おみなえし)、そばにいる女性の美しさを減らしてしまうから女郎減し(おみなえし)、女性だと思われる花なので女郎べし、花が栗飯に似ているから女郎飯(栗飯は女性の主食なので女飯と呼ばれ、白米は男飯と呼ばれていた?)といった説があります。
男郎花(おとこえし)という花もあります。女郎花の花は黄色ですが、男郎花は白。この男郎花を意識して女郎飯説のような俗説があるのかも知れませんね。
謡曲「女郎花」によると、小野頼風の心変わりを嘆いて身投げをした女性の衣が朽ちて、そこに女郎花が咲いたとか・・・。成熟した大人の女性を思わせる女郎花ですが、つらい思い出を秘めて美しく咲いているように思えます。