ちょっと前に読みました。
旅情をかきたてられるエッセイでした。
異空間のなんでもない場所に行きたくて、
わたしは卒業旅行と称し、
バックパックでヨーロッパからアメリカにわたる旅行にふらふら出かけたのでした。
地元のスーパーばっかり行ってました。
観光地には一切行かず
気の赴くまま
パリではバスだけ乗り継いで一日つぶしたこともあります。
かわいい建物や、公演の風景や、町の市場や、浮浪者を眺めて
過ごしました。
ひとりでできることは限られていたけど
それでも孤独で自由で満足でした。
いまは、子どもがいるので観光地メインに楽しむようになりました。
観光地というのは
交通の便がよく、見どころも非常に分かりやすくできている。
過剰ににぎやかで、テンション高い。
観光にするだけあって、興味はなくともそれなりに魅力があります。
旅は異空間に身を投じることであって
それはひとそれぞれに旅の仕方があると思います。
わたしが若い時に観光地に行かなかったのは
そんなとこに行ってしまう自分のミーハーさが嫌だったからですが、
今はミーハーさも乗っかってしまえば楽しいことに気がつきました。
誰と旅するかも重要なんだな
と、振り返って考えてました。
本の紹介してませんでした。
北のさびしい風景を求めて、
うろうろと旅をする能町さんのエッセイです。
北ばかり行く。
分かるよ、北いいよね。
でも南も西も東も好きなわたし。
旅をすること自体が好きで、
旅することが現実からの逃避だと思っている。
能町さんはなぜそんな断定的に北なのだろうと疑問に思い
いやでも北にしかいかない
と言いきっているわけでもなくて
ただ北が好き
ってだけだし
そういうテーマにしているだけだから…。
ただひとつ言えることは
わたしは能町さんの一部わけのわからなさ加減が好きなんだな
って、確信しました。
説得力があり、共感もするけれど、
もう少し奥のほうに部屋があってみることができないような
そんな距離感の文章がお気に入りなんです。
良いエッセイです。
また一人旅したいなあ。
きっと老後だろう。
健康でいなくちゃ。