「志」の英語教育

英語教育実践について日々の雑感を語ります。

10年ひと昔

2008-07-06 10:24:41 | 研修
今週末は広島で「ゆかいな仲間たち」がある。2日とも参加するつもりでホテルを予約していたが、仕事に追われやむなく断念。いつも情報を流して頂いているY先生は今回も連日参加されているのだろうか。

振り返ってみれば、自分がこの種の研修会に参加するようになったのは、ちょうど10年前だ。当時の達セミではまだ長先生が講演をされていた。

そのころの自分は、英語を使って授業をすることと、そのための英語力を磨くことしか考えていなかった。直接法の授業はインプットの量がまるで違うので、これより優れた方法はありえないとナイーブに信じていたのだ。今思えばずいぶん乱暴な授業をしていた。

研修会への参加によって、音読やシャドーイングなどの手法に出会い、徐々に授業スタイルを変化させた。今でも内容理解に関する活動の多くは英語で行うが、授業の中心はむしろ各種の音読である。

ところが、最近はこういった手法に頼りすぎた授業では、インテイクの効率化は期待できるものの真の読解力には繋がらないのではと考えるようになっている。今の関心事は音読よりも精読。もっと言えば精読を促すための教材選びと発問の工夫である。

姿形は違うかもしれないが、この変化を大まかな枠組みの中で見れば、内容→形式→内容と考えられないこともない。昔から英語教育の流行・変遷を振り子に喩えることはよく行われているが、確かに自分の中でも10年の時間を経て今振り子は揺り戻しの方向へと向かっているようだ。